追突事故で人身扱いになった場合の免停・刑事処分・罰金の可能性について

交通事故の加害者となった際に気になるのが、行政処分(免停など)と刑事処分(罰金刑など)の行方です。特に人身事故扱いになった場合、「相手が許してくれたとしても罰金は避けられないのか?」という疑問を持つ方は少なくありません。この記事では、追突事故が人身事故扱いとなった際の処分の流れと罰金の有無について詳しく解説します。

人身事故扱いになるとどうなるか

追突事故が物損ではなく人身事故として警察に届け出られた場合、加害者には行政処分と刑事処分の両方が検討されます。行政処分としては、免許の停止(免停)や違反点数の加算が発生します。刑事処分では、過失運転致傷罪(刑法第211条)が適用される可能性があります。

ただし、過失の程度や被害の程度、被害者の処罰感情、示談の有無などを総合的に考慮して判断されます。

行政処分:免停30日は軽微な人身事故に該当

免停30日という処分は、通常、軽度の人身事故であり、かつ初回違反であることを意味します。この段階では「前歴なしで3点加算、かつ軽傷事故」という扱いが一般的です。

なお、免停中であっても講習会を受講することで期間短縮が可能なケースもあります。詳細は最寄りの運転免許センターで確認しましょう。

刑事処分:被害者の意向と罰金の関係

刑事罰が科されるかどうかの判断は、最終的には警察の捜査結果をもとに検察が行います。被害者が処罰を望んでいないという点や、示談が成立していることは量刑判断に大きく影響します。

以下のようなケースでは不起訴処分(=罰金なし)となる可能性もあります。

  • けがが軽傷(全治10日程度)で通院も短期間
  • 加害者が保険で治療費などを全額支払い済み
  • 被害者が「処罰を希望しない」旨の意向を示している

一方、たとえ被害者が処罰を望んでいなくても、傷害の程度が重かったり、悪質な運転が認定されれば起訴され罰金刑(10万円〜50万円程度)になる可能性は否定できません。

示談の有無と刑事処分の結果への影響

加害者が誠意をもって示談を進めたかどうかは、刑事処分において非常に重要な要素です。示談成立により、以下のような結果が見込めます。

  • 不起訴処分:刑事手続きが終了し、罰金や前科が付かない。
  • 起訴猶予:検察は起訴の必要なしと判断(不起訴の一種)。
  • 略式起訴・罰金刑:軽微な事案で罰金命令が出るが、正式裁判にはならない。

被害者が警察や検察に「処罰を求めない」と申し出ている場合、不起訴または罰金額の減額に大きく寄与するでしょう。

まとめ

追突による人身事故で免停30日処分を受けた場合、被害者が処罰を望んでいないことや、保険により損害賠償が完了しているかどうかが、刑事処分の重さに大きく影響します。罰金刑が科される可能性はあるものの、示談が成立し、被害者が寛容な姿勢を示していれば、不起訴や軽微な処分で済むことも十分にあり得ます。心配な場合は、弁護士に相談することで、今後の流れに備えることができます。

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