子どもの自転車事故で物損が補償されない?泣き寝入りを防ぐために知っておきたい交渉術と法的対応

子どもが交通事故に遭った際、ケガが軽傷で済んだとしても、自転車などの物的損害に関して納得のいかない対応をされることがあります。「加害者が100%悪いのに、自転車の補償がないなんて…」と感じた保護者の方も少なくありません。この記事では、加害者側の保険会社が提示する補償に疑問を感じたときの対応方法や、自転車の修理・買い替えに関する交渉のポイントを解説します。

事故状況が「100:0」の過失割合なら自転車の補償は当然?

まず大前提として、信号のない横断歩道で自転車が優先の状況で車に当てられた場合、加害者側が全面的に責任を負うケースが一般的です。つまり過失割合が「100:0」であれば、被害者側に過失がないと見なされ、車側が損害賠償責任を負います。

この場合、自転車が破損していれば「物損」としての補償が対象になります。ただし、補償額の算定においては「経年劣化(減価償却)」が適用されるため、新品価格の全額が支払われるとは限りません。

保険会社が言う「補償は年1割下がる」は本当?

多くの保険会社では、物損の補償にあたって時価ベースでの評価を行います。これは、購入後の年数や使用状況に応じて価値を減じるもので、通称「減価償却」とも呼ばれます。

例えば、3年前に購入した自転車であれば、購入金額の30~40%程度の評価になることがあり、「年に1割ずつ下がる」という説明は、ある意味では現実に即した一面もあります。しかし、保険会社の査定額が納得できない場合は、修理見積書や販売店の評価書などを用意し、再交渉することが可能です。

泣き寝入りしないための具体的な交渉術

保険会社との交渉では、以下のようなステップを踏むことが重要です。

  • 事故証明を必ず取得する(警察に物損・人身の届出)
  • 自転車の修理見積書や購入価格の証明を準備
  • 減額に納得がいかない場合は理由を明確に聞く
  • 損害額の根拠を記録として残す(書面・メール)

特に、書面でのやり取りを残すことで、後々のトラブルや再交渉時に有利になります。

法的手段や専門機関の活用も視野に

どうしても話し合いが進展しない場合は、交通事故紛争処理センター弁護士会の無料法律相談を利用するのもひとつの方法です。

これらの機関では、中立的な立場で損害賠償の適正な評価や解決方法を助言してくれます。費用がかかる場合でも、法テラスを通じた無料・低額での支援制度も存在します。

自転車事故に備えた保険加入も重要

今後の備えとして、自転車保険や個人賠償責任保険への加入も検討しておきましょう。子どもが加害者になるケースもありますし、自身が被害者となった際に、弁護士費用補償特約が付いているとスムーズに対応できます。

自転車事故に特化した保険プランも各社から提供されているので、家庭に合った内容で見直すことをおすすめします。

まとめ

子どもの交通事故で自転車が壊れた場合でも、相手の過失が100%であれば物損補償を受け取る権利があります。保険会社の査定額に納得できないときは、見積書や法的支援を活用し、泣き寝入りせずに交渉を進めましょう。事故後の対応を冷静かつ丁寧に進めることが、納得できる解決への第一歩となります。

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