飲酒運転に関する取り締まりは、交通事故防止の観点から非常に厳しく行われています。しかし、中には「知人が警察官だったため検査されずに終わった」といったケースも報告されています。このような状況は、見逃してもらったといえるのでしょうか？また、法的・道徳的な問題はないのでしょうか。この記事では、飲酒運転と取締りの現実、そして「見逃し」がもたらす影響について解説します。
飲酒運転の基準とリスク
道路交通法では、呼気1リットル中のアルコール濃度が0.15mg以上であれば「酒気帯び運転」、さらに体内に明らかに酒が残っていれば「酒酔い運転」として、免許停止や罰金、さらには懲役刑の対象になります。
お酒が残っているかどうかは、自分の感覚だけで判断できるものではなく、体質や摂取量、時間、体重などによって大きく異なります。たとえ2時間以上経っていたとしても、完全にアルコールが抜けていない可能性は十分にあります。
警察官の裁量と「見逃し」の現実
飲酒検問などで警察官に呼び止められた場合、本来であればアルコール検査を受ける義務があります。しかし、検査をせずに解放されたという場合、それは警察官の職務執行における“裁量”の範囲か、あるいは不適切な対応である可能性もあります。
特に知人であった場合には、情によって判断が甘くなることも考えられ、これは倫理的にも職務上も重大な問題となります。仮に違反が見逃されていた場合、それは組織としての警察の信頼性にも関わる行為です。
知人による“見逃し”は違法？
警察官が職務として本来行うべきアルコール検査を省略し、かつその理由が私的な関係にある場合、職務怠慢や職権濫用に該当する可能性があります。また、明らかに飲酒運転の可能性があったにもかかわらず見逃した場合、その後に事故が起これば刑事責任を問われるリスクもあります。
一方、運転者本人も違反行為を行った事実があれば「たまたま摘発されなかっただけ」であり、合法であったわけではありません。今後同じ行為を繰り返せば、重い罰則を受ける可能性も高まります。
今後の対応と心がけるべきこと
今回のように「たまたま検査されなかった」ことは、むしろ警鐘と捉えるべきです。以下の行動を今すぐ実践しましょう。
- 飲酒した日は運転しない、または代行や公共交通機関を利用する
- 「飲んでから〇時間空けたから大丈夫」という自己判断は危険
- 周囲の人にも“飲酒運転はしない”というルールを徹底する
- 見逃してくれた知人に依存しない（次は助けてくれるとは限らない）
交通違反は誰かに止められる前に、自分自身で未然に防ぐことが大切です。
まとめ
今回のように、飲酒後に運転して検問を受けたものの、知人の警察官により検査が行われず帰されたというケースは、「見逃し」である可能性があります。しかしそれは、違反がなかったことを意味するわけではありません。
今後同じことが起これば重大な法的責任を負うことになります。「たまたま捕まらなかった」では済まされないこともあるため、少量でも飲酒後の運転は絶対に避けましょう。