近年、街中やSNSなどで「パパ活」や年の差デートと見られるシーンを見かける機会が増えています。特に未成年と見られる女性と中年男性が一緒にいる場面を目にした際、「これは違法なのでは?」と感じる方も多いでしょう。この記事では、法律の観点から、未成年と大人の関係がどこから違法となるのかを解説します。
誘拐罪とは?成立のための条件
まず刑法第224条に定められている「未成年者誘拐罪」は、親権者などの意思に反して、未成年を誘い出したり、連れ去った場合に成立します。つまり、本人の同意があっても、保護者の同意がなければ違法となる可能性があるのです。
例えば、15歳の少女を保護者に無断でホテルに連れ込んだ場合、「同意があった」としても、違法性が問われる可能性があります。ただし、食事をする、散歩する程度では「誘拐」と認定されにくいのが現状です。
青少年保護育成条例との関係
多くの都道府県には、「青少年保護育成条例」が定められており、有害な交際を禁止する条文があります。これには、18歳未満の青少年と大人が、深夜に外出したり、不適切な関係を持つことが含まれます。
この条例では、たとえホテルに行かなくても、深夜の長時間の同伴や金銭の授受がある場合は、条例違反とされる可能性があります。都道府県によって適用基準や罰則は異なるため、注意が必要です。
「パパ活」や報酬付きの関係性がある場合
仮に未成年と大人の間に金銭や物品のやりとりがあり、それに見返りとして会う・同伴するなどの行為がある場合、「児童買春・児童ポルノ禁止法」違反となる可能性も否定できません。
たとえ肉体的接触がなかったとしても、金銭と引き換えに未成年との関係を維持すること自体が問題視される場合があります。摘発の事例も増えており、違法性が問われやすい構図です。
現場での警察対応と通報の扱い
見かけたケースが「不自然だ」と感じたとしても、実際に警察が動くには状況証拠が必要です。特に未成年かどうかの確認、本人の同意の有無、金銭のやり取りなどが立件に影響します。
とはいえ、警視庁の通報窓口などを通じて不審な行動は通報することができます。警察は事実確認の上で、適切な対応を取ることが求められます。
まとめ:未成年との交際は法と倫理の両面で慎重に
たとえ食事やデートだけであっても、未成年との関係は法律・社会通念の両面から慎重な配慮が求められます。本人の同意があっても、保護者や社会的視点から見て不適切とされれば、処罰の対象となる可能性があります。
違法かどうかの境界線は曖昧に見えても、法律は厳格に適用される場合があるため、安易な関係は避けるべきです。青少年を守るという視点を持つことが、結果的に社会全体の健全性を保つ鍵となります。