就職活動中、個人情報の提供に不安を感じ、就活サイトに虚偽の住所や電話番号を登録してしまうケースは少なくありません。しかし、その行為が法的にどのようなリスクを伴うかを正しく理解しておくことは非常に重要です。本記事では、就活サイトで虚偽の個人情報を登録した場合の法的影響や、今後とるべき対応について詳しく解説します。
虚偽情報の登録は法律違反になるのか?
一般的に、就活サイトへの登録時に虚偽の住所や電話番号を入力すること自体は、詐欺罪や偽計業務妨害罪などに該当する可能性があります。ただし、実際に金銭的利益を不正に得たり、他人に損害を与えたりしたかどうかによって処分の有無が左右されます。
刑法第246条の「詐欺罪」は、財物を騙し取る意図が必要です。つまり、選考に参加したり資料を取り寄せたりしていない限り、詐欺罪として立件される可能性は極めて低いといえます。
実在する住所を使った場合のリスク
問題となり得るのは、実在する他人の住所を勝手に使用したケースです。この場合、実際にその住所に郵便物が届いてしまい、受け取った住人が迷惑を被った場合、民事上の損害賠償請求を受ける可能性があります。
とはいえ、郵送物が届くような手続き(企業への応募や資料請求)をしていないのであれば、現実的に他人に損害が生じるリスクは低く、法的責任を問われる可能性も低いです。
就活サイトから訴えられる可能性
就活サイトの利用規約には、多くの場合「虚偽情報の登録禁止」が明記されています。そのため、運営側の判断でアカウントの停止や削除が行われることはありますが、訴訟にまで発展することは非常にまれです。
ただし、何らかの被害(郵送費の損失や業務妨害)が発生していれば、民事訴訟で損害賠償を請求される可能性はゼロではありません。
今後取るべき行動と対処法
現時点で選考や資料請求を行っていないのであれば、冷静に対応しましょう。以下の手順が推奨されます。
- 就活サイトにログインし、登録情報を削除または修正する
- 心配であれば、運営会社に「誤って登録した」と連絡し、訂正を申し出る
- 他人の住所であった可能性がある場合でも、被害が出ていなければ法的問題に発展する可能性は極めて低い
実際に筆者が相談を受けた例では、「虚偽登録をしたが一切選考に関わっていなかったため、登録情報の削除のみで問題が解決した」ケースもあります。
まとめ:冷静に修正・削除対応を
就活サイトへの虚偽登録は望ましい行為ではありませんが、詐欺や犯罪と断定されるケースは非常にまれです。登録情報を正しく修正または削除し、今後は正確な情報での利用を心がけましょう。もし不安が強い場合は、法テラスや弁護士に相談するのも有効です。