言い間違いが営業妨害になる?カツカレーとカンガルーの注文ミスから考える法的リスク

レストランでのやりとりの中には、思わず笑ってしまうような言い間違いや注文ミスがつきものです。しかし、それが度を越すと「営業妨害」や「業務妨害」として問題視されることも。今回は「カツカレーをカンガルーと注文したら通じなかった」というケースを例に、法的にどこまでがセーフで、どこからがアウトなのかを解説します。

「営業妨害」と「業務妨害」の違い

まずは混同されがちな2つの言葉の違いを明確にしておきましょう。

  • 営業妨害:広義には、店舗の売上や評判を下げる行為全般。刑法上の用語ではなく、主に民事的な表現です。
  • 業務妨害(刑法233条〜234条):虚偽の風説や威力などによって、他人の業務を妨害する行為。刑事罰の対象になります。

このうち、法的に「罪に問われる可能性がある」のは後者の業務妨害です。

カツカレー→カンガルーの注文は罪になるのか?

結論から言えば、一度限りの言い間違いや、明らかにジョークとわかる範囲での発言が業務妨害に該当する可能性は極めて低いです。

例えば、言い間違いで「カンガルー」と言ってしまった場合、店員が「?」という顔をして聞き返しただけであれば、それは単なる意思疎通のミスにすぎません。これが故意でなければ、刑事的責任は問われません。

ただし、執拗にふざけた注文を繰り返す店の業務を妨げるような発言を広めるなどの行為を繰り返した場合は、業務妨害罪に問われる可能性があるため注意が必要です。

実際に業務妨害罪が適用されるケース

以下のような行為は、刑法234条の「業務妨害罪」に該当しうるとされています。

  • 虚偽の内容で店舗に苦情を入れ続ける
  • 爆破予告やSNSでのデマ拡散
  • 店舗の電話回線を意図的に妨害するような迷惑行為

これらは実際に業務を妨げたという「結果」が重要であり、軽い冗談とは一線を画します。

言葉遊びは節度をもって

店員さんとのやり取りで笑いが生まれるのは楽しい体験です。しかし、相手が困惑したり、明らかに迷惑そうな様子が見られたら、それはユーモアではなくマナー違反です。特に混雑時や忙しい時間帯に不必要な会話を繰り返すと、他の客にも影響が出ることも。

「カンガルー」と言って通じなかった場合、すぐに「ごめんなさい、カツカレーでした」と訂正すれば問題ありません。大切なのは、その後の対応です。

まとめ

カツカレーを「カンガルー」と言い間違えただけでは、罪にはなりません。ただし、ふざけた注文や迷惑行為を繰り返すと、業務妨害として法的リスクが生じる可能性もあります。節度をもって、楽しいコミュニケーションを心がけましょう。

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