近年、InstagramやTikTokなどのSNSで、有名人の顔を切り抜いたエフェクトを使用する投稿が増えています。しかし、これらの行為には著作権や肖像権、パブリシティ権といった法的な問題が関わってくることをご存知でしょうか。本記事では、SNSでのエフェクト作成における法的リスクと注意点について解説します。
著作権とは何か?
著作権は、創作物を作成した人が持つ権利であり、無断で使用されることを防ぐための法律です。写真やイラストなどの画像も著作物に該当し、無断で使用・加工・配布することは著作権侵害となる可能性があります。
例えば、有名人の写真を無断で切り抜き、エフェクトとして使用することは、撮影者の著作権を侵害する行為となります。加工したとしても、元の著作物の本質的特徴を保持している場合、著作権侵害とみなされることがあります。
肖像権とパブリシティ権の違い
肖像権は、本人の承諾なしに顔や体などの容貌を他人に公表されたり、写真や彫刻などにされたりしないための権利です。これは一般人にも適用されます。
一方、パブリシティ権は、有名人の肖像や名前が持つ商業的価値を保護する権利です。無断で有名人の顔を使用してエフェクトを作成し、SNSで公開することは、パブリシティ権の侵害となる可能性があります。
エフェクト作成における具体的なリスク
有名人の顔を使用したエフェクトを無断で作成・公開することには、以下のようなリスクがあります。
- 著作権侵害による損害賠償請求
- 肖像権・パブリシティ権の侵害による差止請求や損害賠償請求
- SNSアカウントの停止や削除
- 社会的信用の失墜
実際に、無断で有名人の写真を使用したことにより、法的措置を取られた事例も報告されています。
合法的にエフェクトを作成・使用する方法
有名人の顔を使用したエフェクトを合法的に作成・使用するためには、以下の方法があります。
- 著作権者や本人から明確な許可を得る
- フリー素材や商用利用可能な素材を使用する
- 自身で撮影した写真やイラストを使用する
- AI生成画像を使用する場合は、学習データや利用規約を確認する
また、引用の範囲内であれば著作権の問題はクリアできる場合もありますが、肖像権やパブリシティ権の問題は別途考慮する必要があります。
まとめ
SNSでのエフェクト作成や使用において、有名人の顔を無断で使用することは、著作権や肖像権、パブリシティ権の侵害となる可能性があります。法的リスクを回避するためには、素材の使用許可を確認し、適切な方法でエフェクトを作成・使用することが重要です。自身の創作活動を守るためにも、権利関係について正しい知識を持ち、慎重に行動しましょう。