近年、「ダブルクリック詐欺」と呼ばれる手口が増加しており、ユーザーが知らぬ間に有料契約に同意させられるケースが発生しています。特にスマホやPCで広告やリンクをクリックした直後、「料金が発生しました」などと表示されると、多くの人が慌ててしまいます。本記事では、このようなトラブルに巻き込まれた際の正しい対応方法と予防策を詳しく解説します。
そもそもダブルクリック詐欺とは？
ダブルクリック詐欺とは、広告やバナー、偽の通知画面などを使い、ユーザーに2回タップ（クリック）させることで、「申し込みが完了した」と誤認させ、料金請求を試みる手口です。主にアダルトサイトや占いサイト、動画視聴サービスなどを装ったものが多く見られます。
ユーザーが誤ってボタンを連続して押すと、「契約成立」と一方的に表示され、支払いを求める画面に誘導される仕組みです。
支払い請求が届いても支払う必要はあるのか
原則として、こうした詐欺的な請求には応じる必要はありません。日本の法律（民法や消費者契約法）では、明確な同意がなければ契約は成立しないとされています。「クリックしただけ」では意思表示とみなされません。
仮に請求メールやSMSが届いても、返信したり、電話をかけたりしないことが重要です。これに応じると、個人情報を提供してしまい、さらなる被害に発展する可能性があります。
実際に送られてくる請求の事例
次のような請求文言が見られます。
- 「利用履歴により未払い料金が発生しています」
- 「今すぐ連絡をしないと法的手続きに移行します」
- 「ご契約が本日より開始されています」
いずれもユーザーを焦らせて行動を促すための表現です。冷静に無視し、証拠としてスクリーンショットを保管しておくと良いでしょう。
対応策：やってはいけないこと＆やるべきこと
まずやってはいけないのは次の行動です。
- 相手に連絡する
- 支払いをしてしまう
- サイト内で個人情報を入力する
反対に、やるべき対応は以下の通りです。
- 画面のスクリーンショットを保存しておく
- 無視して一切反応しない
- 万が一不安であれば、消費生活センターや国民生活センターに相談する
また、警察のサイバー犯罪相談窓口も活用可能です。
今後の被害を防ぐための予防策
ダブルクリック詐欺の被害を避けるため、次のような対策が効果的です。
- 広告や怪しいリンクを不用意にタップしない
- セキュリティ対策ソフトを常に最新状態に保つ
- サイトにアクセスする前にURLをよく確認する
- アプリのレビューを確認してからインストールする
特に未成年や高齢者が利用するデバイスでは、フィルタリングやペアレンタルコントロールの導入も有効です。
まとめ：詐欺的な「支払い請求」は無視が基本
「ダブルクリックしてしまったから支払わないといけないかも…」と思っても、慌てず冷静に対応することが大切です。こうした請求のほとんどは法的な根拠がなく、無視して問題ありません。もし不安な場合は、専門機関に相談し、記録を残しておくことで安全に対処できます。