近年、AI画像生成や個人撮影による素材を活用した「自作トレカ(トレーディングカード)」の販売が増えています。趣味の延長で制作した作品を販売したいと考える方も多い一方で、法的なリスクに関しての情報は錯綜しており、不安に思う声も少なくありません。本記事では、著作権や商標権の観点から、自作トレカの販売が合法かどうかを解説し、商用利用可能な素材を使った場合の注意点も併せてご紹介します。
自作トレカの違法性が指摘される背景
多くのトレカ販売が違法とされる主な理由は、既存作品の無断使用にあります。アニメキャラやゲーム画像などの著作権を侵害する素材を使用して作成した場合、たとえ個人販売であっても違法となる可能性があります。
たとえば、人気アニメのキャラクターを無断で使用したトレカをメルカリなどで販売した場合、著作権者から警告や削除要請が届くだけでなく、法的措置の対象にもなりえます。
商用利用可能なAI画像を使う場合は?
商用利用が許可されているAI画像生成ツール(例:Adobe Firefly、Stable Diffusionなど)で作成した画像を使う場合、著作権上の問題は原則発生しにくいです。ただし、利用規約に沿っていることが前提です。
特に注意すべき点としては、「著名人の肖像に似せた生成物」や「既存キャラを模したプロンプト」などを使った場合、商標権やパブリシティ権の侵害になる恐れがあることです。
自分のペットを使ったトレカは合法か?
自分で撮影したペットの写真を使用し、オリジナルトレカとして販売する場合は、基本的に著作権や肖像権の問題は発生しません。また、第三者の権利を侵害する可能性も低いため、比較的安全な選択肢といえます。
たとえば、自宅の猫をキャラクター化し、トレカとして販売するケースは、完全オリジナルコンテンツとして成立する可能性が高く、商用販売も合法的に行えることが多いです。
販売プラットフォームの利用規約にも注意
たとえ合法な素材を使用していても、販売先のプラットフォームのガイドラインに違反していると販売停止となるリスクがあります。メルカリやBOOTH、BASEなどは「権利侵害の疑いがある商品」の出品を厳しく制限している場合があります。
そのため、販売前には必ず各プラットフォームの「知的財産に関するポリシー」を確認し、問題がないかチェックすることが推奨されます。
知的財産権の観点から安全に創作活動を行うには
安心して自作トレカを販売するためには、
- 使用素材の出所とライセンスを明確にする
- AI画像は著作権や規約がクリアなツールを選ぶ
- 有名キャラやブランドに酷似する表現は避ける
- 販売先の利用規約を遵守する
といった対策を講じることが重要です。
まとめ:オリジナリティと合法性が成功の鍵
自作トレカの販売は、素材の選び方と利用方法によっては合法的に行うことが可能です。AI生成画像や自分のペット写真を活用することは有効な選択肢ですが、第三者の権利を侵害しないよう細心の注意を払う必要があります。知識を持って創作活動を行えば、安心して自分だけのオリジナルグッズを楽しみながら販売することができるでしょう。