医療機関を受診した際に「治療回数が不自然に多い」「領収書に覚えのない診療が記載されている」などの不審な点に気づいたとき、どのように対応すればよいか迷う方は多いでしょう。特に地方都市においては、相談窓口や通報先が不明確なこともあります。この記事では、医療費の水増し請求を疑った場合にどこへ相談すべきか、具体的な行動手順を広島県福山市のケースを想定してご案内します。
医療費不正請求の兆候に気づいたら
診療明細書や領収書に見覚えのない治療が複数記載されている、通院回数よりも請求回数が多いといったケースは、不正請求の可能性があります。まずは自身の医療記録や診療日数を確認し、記録と照らし合わせることが第一歩です。
例えば、週1回しか通っていないのに、週2回分の請求が記載されていた場合などは、十分な疑義の対象になります。
まずは「中四国厚生局」へ相談を
医療費の不正に関する監査・指導の権限を持つのは、厚生労働省の地方厚生局です。広島県福山市の場合は「中四国厚生局」が該当します。以下のような内容で通報・相談が可能です。
- 診療報酬の水増し請求
- 治療の実態と異なる診療報告
- 架空診療や二重請求の疑い
通報は匿名でも可能で、電話・郵送・Webフォームでの受付があります。詳しくは中四国厚生局の公式サイトを確認しましょう。
警察へ通報すべきケースとは
不正請求が確実に故意であり、刑事事件として告発したい場合には、警察への通報も選択肢となります。広島県福山市であれば「福山東警察署」または「福山西警察署」が所轄となります。
警察に通報する際は、以下の情報を整理しておくとスムーズです。
- 医療機関名・所在地
- 診療日時・診療内容
- 不審な点の具体的記録(診療明細書や領収書のコピー)
また、事前に厚生局への通報を済ませた旨を伝えると、連携が取りやすくなります。
不正の立証には証拠が重要
診療明細書、領収書、診察予約記録、通院時の交通履歴など、日々の記録を残しておくことは、不正を立証するうえで極めて重要です。スマートフォンのカレンダーやメモアプリで記録している情報も立派な証拠になります。
また、診療内容を口頭で説明された場合は、記録として残しておくことで後日の確認が容易になります。
他の相談先:市の健康保険課や保険者
市区町村の健康保険課や、加入している保険(協会けんぽ・国保・共済組合など)の窓口でも、不正請求に関する相談を受け付けています。中でも、国民健康保険に加入している場合は、福山市の保険年金課が窓口です。
また、勤務先の健康保険組合を通じて保険者に相談することも、調査や監査の契機となります。
まとめ:冷静に記録をとり、適切な機関へ通報を
医療機関の不正請求が疑われる場合には、まずは冷静に自身の受診履歴を整理し、証拠をそろえたうえで「中四国厚生局」や所轄の警察署に相談・通報するのが適切です。また、日頃から診療明細を保管しておく習慣を持つことが、不正の早期発見につながります。
患者としての権利を守るためにも、正しい知識と行動で、安心して医療を受けられる環境づくりに寄与していきましょう。