通学中や日常生活の中で起こりうる、自転車と歩行者の接触事故。けがだけでなく、持ち物が破損するケースも珍しくありません。この記事では、接触事故で壊れた物の弁償は請求できるのか、どのような対応をすべきかについて解説します。
接触事故による物損も損害賠償の対象
自転車と歩行者の接触事故では、人身損害に目が行きがちですが、実は破損した物についても賠償請求の対象になります。法律上の根拠は「不法行為による損害賠償請求(民法709条)」です。
たとえば、転倒の際に曲がった日傘や、傷がついた水筒など、事故が原因で壊れたと明らかに分かるものであれば、相手側やその保険会社に請求することが可能です。
実例:子どもの接触事故と物損への対応
通学中の小学生が、坂道を下ってきた自転車と接触。倒れた際に持っていた水筒がアスファルトに落ち、蓋の部分が破損したケースがありました。親御さんは医療費と併せて、水筒代(約3,000円)を相手側の保険会社に請求し、支払いを受けたという例があります。
重要なのは、事故との因果関係が明確であることと、物の損傷が実際に確認できる状態であることです。
保険会社への請求手続きの流れ
損害賠償の請求は、次のようなステップで行います。
- 破損物の写真を撮っておく(事故当時の状態が分かるもの)
- 購入時のレシートや領収書を保管(なければ概算でも可)
- 相手側またはその保険会社に連絡し、事情を説明
- 書類提出や電話交渉などで正式に請求
損害の範囲や金額に争いがある場合は、交通事故に強い弁護士への相談も検討しましょう。
「物損も請求するのはやり過ぎでは?」と悩んだら
壊れた物の弁償を請求することは、決して「やりすぎ」ではありません。特に相手側が明らかに加害者であり、過失があると認められるケースでは、正当な権利として主張して構いません。
とはいえ、感情的に伝えるのではなく、冷静かつ丁寧なやり取りを心がけると、保険会社や相手側の対応もスムーズになりやすいです。
示談書に物損を含めるのが安心
最終的に治療費や物損の補償を受けた場合、示談書を交わすことになります。その際には、物損も含めた補償内容をしっかり記載してもらうことが重要です。
たとえば、「日傘 4,000円、水筒 3,000円」など、具体的な内容と金額を明記することで、後々のトラブルを防ぐことができます。
まとめ:物損の請求は正当な権利、遠慮なく対応を
自転車と歩行者の接触事故での物の破損についても、損害賠償請求の対象となります。請求することにためらいがあるかもしれませんが、それは正当な法的権利です。丁寧に経緯を説明し、証拠を揃えて冷静に対応することで、納得のいく解決に近づくことができるでしょう。