未成年あるいは若年者が無免許運転で事故を起こし逮捕された場合、親として心配になるのは「どれくらい拘束されるのか」「今後どうなるのか」という点です。特に、過去に繰り返し無免許運転をしていた経緯がある場合、処分の内容にも大きく影響を及ぼします。本記事では、逮捕から裁判までの流れや、想定される拘束期間、家族ができるサポートについて詳しく解説します。
無免許運転で事故を起こした場合の刑事手続きの流れ
無免許運転で事故を起こし逮捕された場合、次のような刑事手続きが進みます。
- 現行犯逮捕・任意同行:事故の発生時に警察が現場で対応。
- 留置(最大72時間):警察の留置場にて身柄拘束。
- 勾留請求(10日+最大延長10日):検察が必要と判断すれば裁判所に勾留請求。
- 起訴・不起訴の判断:勾留中に証拠収集と供述調書を元に判断。
- 起訴後(略式裁判 or 通常裁判):略式命令による罰金処分や、通常裁判で判決が出る。
つまり、最大で23日間は拘束される可能性があります(逮捕から勾留延長まで)。
今回のような事例での量刑や処分の傾向
無免許運転で事故を起こした場合、その内容により処分は変わります。
- 単なる無免許運転:道路交通法違反で「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」
- 物損事故あり:道路交通法+刑法上の過失運転致傷罪が問われる可能性
- 人身事故あり:重過失致傷罪等が適用、起訴されやすい
さらに、本件のように過去に無免許運転を繰り返していた経歴がある場合、余罪として立件される可能性があり、検察の捜査や拘束期間が延びる場合もあります。
少年事件として扱われるか、刑事事件か?
19歳は「少年法」における「20歳未満の者」として原則は少年事件扱いになりますが、以下の条件に該当すると検察送致(逆送)されて成人と同様に起訴される可能性があります。
- 重大な交通事故
- 常習性が明らかで悪質
- 反省や更生の見込みが乏しいと判断される場合
家庭裁判所に送致された後、逆送されれば通常裁判となり刑事処分を受けることになります。
家族ができるサポートと反省・更生への向き合い方
被害者がいる場合は、まずは誠意を持って謝罪と示談交渉を進めることが重要です。また、本人の反省の態度を示すことが量刑にも影響を与えます。
- 本人による謝罪文の作成
- 交通安全講習や反省文の提出
- 精神的・発達的な問題の有無を診断してもらう(専門機関の意見書)
- 家族による監督体制の整備・証明(情状証人の準備)
特に親が長年通報しながらも事件を防げなかったというケースでは、家庭としての監督責任と向き合いつつ、「今後どのように再発を防ぐか」が重要な情状になります。
まとめ
無免許運転による事故で逮捕された場合、最大で23日間の拘束が続く可能性があり、その後の処分は事故の内容や本人の過去の行動、反省の有無によって大きく変わります。19歳は少年事件として扱われることが多いものの、重大なケースでは通常の刑事裁判へと進むこともあります。本人の反省と家族の監督体制を明確にし、専門家と連携しながら更生に向けての準備を整えることが大切です。