赤信号の歩行者を避けたバイク事故|単独事故扱いでも損害賠償を請求できる可能性とは

交通事故には多様なケースがあり、バイクや車が関与する場合は特に複雑な判断が求められます。今回注目するのは、バイクが右折中に赤信号を無視して横断した歩行者を避けた結果、転倒したという事例です。警察には単独事故と判断され、歩行者も過失を否定している状況ですが、果たして損害賠償の請求は可能なのでしょうか?交通事故の法的枠組みを基に解説していきます。

バイク事故と「単独事故扱い」の意味とは

交通事故の処理において「単独事故」とは、他者との接触がない場合に使われる表現です。バイクが転倒したのみで歩行者と物理的に接触していないと、警察は形式的に単独事故と扱うことが多くなります。

ただし、これはあくまで現場での「交通事故処理上の分類」であり、民事上の損害賠償請求権を否定するものではありません。つまり、相手に過失があると認められれば、単独事故でも損害賠償を請求できる余地があります。

歩行者が赤信号を無視していた場合の法的責任

道路交通法では、歩行者にも交通ルールを守る義務があります。横断歩道が赤信号であったにもかかわらず渡った場合は、違反行為として過失責任が問われる可能性があります。

判例でも、歩行者の信号無視や急な飛び出しによってバイクや車が事故を起こした場合、一定の過失割合が認定されることがあります。例えば「バイク:歩行者=70:30」などとされる場合もあります。

物的証拠と証言が損害賠償請求のカギ

民事訴訟や示談交渉で過失割合を争うには、第三者の証言や証拠の有無が非常に重要です。

  • ドライブレコーダー映像:歩行者が赤信号を無視した瞬間を記録していれば、強力な証拠になります。
  • 現場の目撃者:通行人や同乗者の証言がある場合、警察に再度届け出る材料となります。
  • 事故現場の写真:信号の位置や視界の妨げがなかったかなど、状況証拠の補強になります。

これらの証拠がそろえば、損害賠償の交渉を有利に進めることが可能です。

相手が過失を否定する場合の対処法

相手が「赤信号ではなかった」と主張し、支払いを拒否する場合は、以下のような方法で対応できます。

  • 内容証明郵便で賠償請求の意志を通知
  • 交通事故に強い弁護士に相談し、民事訴訟を視野に入れる
  • 自分の保険会社に相談して交渉の代行を依頼

特に、加入しているバイク保険に「弁護士費用特約」がある場合は、費用の負担なく専門家に対応してもらえることもあります。

泣き寝入りを避けるための具体的ステップ

以下のような行動を早めに取ることが、泣き寝入りを防ぐためには不可欠です。

  • 事故発生時のメモや写真を整理して保管
  • 診断書や修理見積書などの資料を揃える
  • 市区町村の無料法律相談や法テラスを活用

時間が経つほど証拠の鮮度が落ち、主張の説得力が弱まるため、速やかな行動が重要です。

まとめ

バイクでの転倒事故がたとえ「単独事故」とされても、歩行者が赤信号を無視していたという事実が立証できれば、損害賠償を請求できる可能性は十分にあります。警察の処理と民事責任は別物であり、証拠をもとに冷静に対応すれば、泣き寝入りを避ける道は開けます。状況によっては弁護士に相談し、専門的なアドバイスを受けることが解決への近道となります。

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