狭い駐車場や混雑した場所でのバック駐車中に、うっかり隣の車にぶつけてしまうことは誰にでも起こり得ます。しかし、その場に監視カメラがないからといって、何もせず立ち去るのは非常に危険な行為です。本記事では、こうした場面で取るべき正しい対応や法的責任、逃げた場合のリスクについて解説します。
物損事故でも「当て逃げ」は刑罰対象
日本の道路交通法では、たとえ人身事故でなくても、他人の財産（車など）に損害を与えた場合には、事故として報告義務があります。逃げた場合には「当て逃げ」として扱われ、1年以下の懲役または10万円以下の罰金が科される可能性があります。
特に車両の損傷が明らかな場合、周囲に人がいなくても通報や監視の目に晒される可能性があるため、逃げても後から発覚するリスクは高いです。
その場で取るべき対応とは
車をぶつけてしまった場合、まずはその場で車を安全な位置に停めてから、相手車両の確認と警察への通報が必要です。相手の車の持ち主が不在であっても、警察に報告しておけば「誠実な対応」として記録され、後々のトラブル回避に繋がります。
また、自分の連絡先を書いたメモをワイパーに挟むなどして、相手に状況を説明する意思を示しておくことも有効です。
監視カメラがないからといって安心できない理由
最近ではドライブレコーダーがほぼ全ての車に装備されています。そのため、自分がぶつけたことを第三者が録画しているケースや、被害車両のドライブレコーダーに記録されている可能性があります。
「カメラがなければバレない」という考えは危険であり、後から発覚した場合には「逃げた」という事実そのものが大きな責任を問われる材料になります。
保険の適用と賠償の流れ
車両保険に加入していれば、物損事故としての補償が受けられる場合があります。警察への届け出を行い、事故証明書を取得することで、保険会社が対応してくれるケースが多いです。
逆に、逃げた後に発覚してしまうと保険適用が困難になるばかりか、免責などの不利益を受ける可能性もあります。
道徳と信頼の問題
法的な問題だけでなく、逃げるという行動は社会的信頼を失う大きな要因になります。たとえ損害が軽微であっても、誠実に対応することが社会的な信用を守る鍵となります。
小さな事故であっても、真摯に対応することで人間関係や将来の自分を守ることに繋がります。
まとめ：逃げずに誠実な対応を
駐車中の事故は誰にでも起こりうるものですが、その後の行動が何よりも重要です。監視カメラがないからといって逃げてしまうと、刑事責任・民事責任の両方を負う可能性があります。
「正しい行動は、自分を守る最大の武器」です。万が一ぶつけてしまったら、落ち着いて誠実な対応を取りましょう。