駐車や走行時の不注意で公共のフェンスなどに接触してしまった場合、「すでに壊れていた場所だったら修理費は払わなくてよいのか?」と不安に思う方もいるでしょう。この記事では、事故前から破損していた公共物に接触してしまった場合の損害賠償責任や、修理費用の負担について解説します。
公共物との接触事故における基本的な考え方
公共のフェンスやガードレールなどに車を当ててしまった場合、その物件が「公共物」であれば、管理者(たとえば自治体)が修理費を請求する可能性があります。通常、過失によって損傷を与えた場合には損害賠償責任が生じます。
しかし、すでに壊れていた箇所に当たった場合、その損傷が運転者によって新たに拡大されたのかどうかが判断の分かれ目になります。
事故前の写真が示す重要性
事故前に「同じフェンスがすでに壊れていた」ことを示す写真がある場合、それは非常に有力な証拠になります。この証拠があれば、「破損部分は以前からのものであり、自分の接触によって新たに損傷が生じていない」と主張できます。
ただし、当たったことで歪みが拡大したり、塗装が削れたりした場合は、その追加分だけについて損害賠償の対象となる可能性があります。この点を明確にするには、事故直後の状態も写真に収めておくと安心です。
修理費の負担が発生するケース
以下のような状況では、たとえ以前から破損していた箇所であっても、新たに修理費が請求される可能性があります。
- 破損の程度が増したことが明確な場合
- 新たな傷跡や塗装痕が明確に確認できる場合
- 管理者側が修理を要すると判断した場合
この場合、損傷範囲を限定的に査定してもらい、部分的な支払いに留めることも可能です。
保険で対応できるかの確認
ご自身の任意保険に「対物賠償責任保険」が付いていれば、公共物への損害についても補償される可能性があります。保険会社に連絡して状況を報告し、修理費が発生するか否かにかかわらず、事故扱いとして報告だけはしておきましょう。
後で損傷拡大の主張があった場合にも、保険で対応できる体制が整っていれば安心です。
管理者とのやり取りのポイント
自治体や施設管理者とのやり取りにおいては、誠意を持った対応が大切です。破損箇所の事前状態を示す写真がある場合はその旨を伝え、可能であれば現場を立ち会って確認してもらいましょう。
また、自治体の公式サイトなどから連絡窓口を探し、事故状況を正確に報告することが信頼関係を保つ鍵になります。
まとめ:写真記録と冷静な対応がカギ
公共のフェンスに接触してしまった場合でも、すでに破損していた箇所であることが写真などで証明できれば、全額の修理費を請求される可能性は低くなります。ただし、新たな損傷が加わっていれば部分的な責任が生じる可能性もあるため、事故直後の証拠記録は非常に重要です。
保険の活用も含め、誠実かつ冷静に対応することが、スムーズな問題解決につながります。