夜間に発生した交通事故では、視認性の悪さが原因となることが多く、当事者双方の主張が食い違うケースも少なくありません。特に、相手がバイクでライトを点けていなかった可能性がある場合、「自分の過失が大きくなってしまうのでは」と不安に思う方もいるでしょう。この記事では、そうした状況でも泣き寝入りしないために知っておくべきポイントを解説します。
事故の過失割合は一方的に決まらない
交通事故の過失割合は、警察の実況見分や保険会社同士の協議をもとに決定されますが、あくまで双方の過失要素を総合的に考慮して決められます。事故のシチュエーション(交差点か直線か、合流か追突かなど)により、基本の過失割合が存在します。
たとえば、直進バイクと合流車の事故では、原則として直進車が優先とされ合流車が不利になりますが、それでもバイク側に著しい過失がある場合は、過失割合が修正されることもあります。
「ライト無点灯」は過失修正の可能性がある要因
夜間のバイクが無灯火だった場合、それは交通法規違反であり、重大な過失とみなされる可能性があります。視認性が著しく低下し、他車からの発見が困難になるため、通常よりも相手側の責任が大きくなる要素です。
ただし、それを裏付ける証拠がないと、過失修正には反映されにくくなります。そのため、証言だけでなく、目撃者や現場の照明状況、事故直後の相手車両の状態の記録が重要です。
ドライブレコーダーがない場合の対策
ドラレコが搭載されていない場合でも、次のような方法で状況証拠を補うことができます。
- 事故現場の写真を撮影(街灯の有無、見通し)
- 周囲に目撃者がいれば、氏名と連絡先を確保
- 警察に「相手のライトが点いていなかった可能性」を明確に伝える
- 相手の車両が全損であっても、バイクのスイッチや配線が切れていなかったか確認
事故当事者の記憶は時間とともに薄れるため、なるべく早く証拠を集めることが重要です。
過失割合が不服な場合はどうする?
保険会社が提示する過失割合に納得できない場合は、まず担当者と再交渉しましょう。その際、上述した証拠や状況説明をもとに、修正を求めることが可能です。
それでも解決しない場合には、「紛争処理センター」や「弁護士特約」を活用することができます。自動車保険に付帯している弁護士費用特約を使えば、自己負担なしで弁護士に相談できる場合があります。
実例:ライト未点灯のバイク事故で過失が修正されたケース
あるケースでは、交差点で右折しようとした車が、無灯火のバイクに衝突される事故が発生しました。当初は車側に大きな過失があるとされていましたが、事故直後に周囲の目撃者が「バイクのライトが点いていなかった」と証言したことで、過失割合が再計算され、バイク側にも責任が認められました。
このように、第三者の証言や状況証拠がカギになることがあります。
まとめ:証拠次第で泣き寝入りは回避できる
バイクとの夜間事故で相手が無灯火だった場合、たとえドライブレコーダーがなくても、事故直後の対応や証言・証拠によって過失割合を修正できる可能性はあります。ポイントは、泣き寝入りせず、粘り強く主張と証拠の提示を行うことです。
保険会社任せにせず、自ら情報を集め、必要に応じて第三者機関や法的サポートを活用しましょう。事故後の初動対応と証拠確保が、将来の大きな差を生むのです。