飲み会やカラオケで偶然出会った人と意気投合し、そのまま一緒にお酒を楽しむ——そんなシチュエーションは珍しくないかもしれません。しかし、その相手が未成年だったと後から発覚した場合、たとえ「未成年とは知らなかった」としても、大人側に法的責任が問われるケースがあります。本記事では、こうしたトラブルを避けるために知っておくべき法律、店側の対応、そして対処のポイントについて詳しく解説します。
未成年飲酒に関する法律の基本
日本の法律では、20歳未満の者の飲酒は未成年者飲酒禁止法により明確に禁止されています。これに加え、成人が未成年者に酒類を提供したり、飲酒を助長した場合には、提供した側にも責任が発生します。
たとえば、成人が未成年と知らずに一緒に飲酒していた場合でも、「年齢確認を怠った」として、過失があったと見なされる可能性があります。これは飲食店やカラオケ店だけでなく、私的な空間でも同様です。
「知らなかった」では通用しない理由
民間の施設や店舗では、トラブル回避のために未成年者に関わる飲酒行為を非常に厳しく監視しています。お酒の提供や飲酒を確認された場合、年齢確認をしていないこと自体が問題視されるため、「相手が成人だと思っていた」という主張は通らないケースが多いです。
さらに、現場を目撃した店員や第三者が通報することで、施設からの出入り禁止（出禁）処分や、大学・警察への報告につながることもあります。
同席していただけでも責任を問われる？
刑事責任が問われるかどうかはケースによりますが、民事的・社会的責任は免れない場合があります。特に、以下のような行動があった場合には問題が深刻化します。
- 自分たちが持ち込んだお酒を未成年が飲んだ
- 場を提供した（部屋に招いたなど）
- 明らかに若く見える相手に対して年齢確認をしなかった
一方で、事前に年齢を尋ね、虚偽の申告をされた場合には、情状酌量の余地が生じる可能性もありますが、それでも「確認が甘かった」とされることもあります。
店や警察、大学の対応と通報リスク
カラオケや居酒屋などの店舗では、未成年との飲酒が発覚すると、店舗の管理責任を守るために厳しく対応するのが一般的です。出禁措置だけでなく、警察への通報や、大学へ通知することで学生に対する処分を促す場合もあります。
大学によっては、「素行不良」や「学則違反」として停学・退学処分を下すこともあるため、軽く考えず真摯に対応する必要があります。
トラブル防止のために今後できること
このような事態を防ぐためには、以下の点に注意することが重要です。
- 新しく出会った人とは飲酒を避ける（最低限、年齢確認をする）
- 公共の場や店では年齢証明が必要なケースを想定
- トラブルが起きたらすぐに記録・証拠を残す（会話の内容、誰が何をしたかなど）
また、仮にトラブルが起きてしまった場合は、誠実に謝罪と説明を行い、相手の責任を明確にする証拠を持つことが自分の立場を守る一助になります。
まとめ：責任を問われないためには慎重な判断と行動が必要
未成年者と知らずに一緒に飲酒をしてしまうケースは珍しくないものの、「知らなかった」では済まされない現実があります。成人としての責任が求められる以上、どんな場面でも年齢確認と自己防衛意識を持つことが不可欠です。今後同じようなトラブルに巻き込まれないためにも、今回の経験を冷静に見直し、今後の行動に活かすことが大切です。