ネット上でのフリマアプリやSNS取引の増加に伴い、知らず知らずのうちに著作権や商標権を侵害してしまうケースが増えています。特にブランドロゴを使ったグッズの販売には注意が必要です。この記事では、商標権違反に関する呼出状が届いた場合の基本的な流れや対処法、特に初犯や少額利益の場合にどう扱われるのかを詳しく解説します。
商標権違反とは?身近に潜むリスク
商標権は企業が商品やサービスを識別するための重要な権利であり、登録されたロゴや名前などを無断で使用すると、商標法違反に該当します。たとえ1回限りで少額の利益であっても、営利目的の取引であれば違法行為とされることがあります。
たとえば、ブランドロゴを模倣したネイルシールを自作して販売し、1万円程度の利益を得た場合でも、「譲渡・譲渡の申出行為」として取り締まりの対象になることがあります。
取り調べ後に呼出状が届くまでの期間と意味
商標権違反のような知的財産権事件は、証拠や本人の供述内容をもとに、警察・検察が慎重に判断します。取り調べが終わってから数ヶ月後に「呼出状」が届くのは珍しくなく、多くの場合、略式起訴または不起訴の通知である可能性があります。
呼出状に「略式命令」「即決裁判」などの文言がない場合でも、出頭先が「簡易裁判所」であれば、略式起訴の手続きに関係している可能性が高いです。
略式起訴とは?内容と流れを解説
略式起訴は正式な裁判を行わずに、書面のみで処分を決める簡易な手続きです。一般的には以下のような流れになります。
- 検察官が略式命令を請求
- 簡易裁判所が罰金などの刑を命じる
- 呼出状に基づいて出頭・同意書に署名
- 数日〜数週間以内に略式命令が出る
多くの場合、10万円以下の罰金刑が科され、前科がつくことになります(前歴と区別されますが、就職等には影響することがあります)。
初犯・少額利益でも処罰の対象になる?
初犯で1万円程度の利益であっても、商標権違反は刑法犯であるため、警察が立件することは十分にあります。ただし、被害の程度や本人の反省態度、示談の有無などにより、処分が軽減されることもあります。
過去の例では、初犯で少額かつ反省の意思があり、かつ弁済・示談が成立した場合に不起訴処分や起訴猶予となるケースもあります。
呼出状を受け取ったらどうすればいい?
呼出状が届いたら、記載された日時・場所に必ず出頭しましょう。無視すると逮捕状が発行されるおそれもあります。
弁護士に相談することで、略式命令を受け入れるか、正式裁判を希望するかなど適切な対応を選ぶことができます。また、商標権者との示談交渉も弁護士が介入することで円滑に進むことがあります。
まとめ:軽視せず、適切な対応を
商標権違反は軽い気持ちで行っても重大な法的リスクを伴う行為です。初犯・少額であっても呼出状が届いた場合は、早急に専門家に相談し、誠実に対応することが重要です。
この記事が、呼出状を受け取った方やそのご家族にとって、冷静に状況を整理し、正しく対処する手助けとなれば幸いです。