交通事故後に相手の保険会社から提供される代車（レンタカー）は、被害者の移動手段として非常にありがたい存在です。しかし、その代車で自損事故を起こしてしまった場合、修理費用は誰が負担するのか、多くの方が疑問を抱きます。今回はこのようなケースについて、わかりやすく解説します。
代車としてのレンタカーとは？
相手の過失による事故（いわゆる貰い事故）の際、相手の保険会社が代車を提供することがあります。これは、修理期間中の交通手段を確保する目的であり、通常はレンタカー会社からの貸与です。
ただし、形式はレンタカーであり、使用者（借主）としての注意義務は被害者にも課されます。
自損事故を起こした場合の費用負担の原則
代車であっても自損事故を起こした場合、その修理費用は原則として利用者（被害者側）負担となります。これは、相手の保険会社は「代車を貸しただけ」であって、その車両の事故にまで責任を負わないからです。
例として、バンパーの擦り傷・歪みといった軽度の破損でも、修理費は数万円〜10万円以上かかる場合があります。
レンタカーの保険（CDW）の有無が重要
多くのレンタカーには、オプションでCDW（免責補償制度）が付帯できます。これは事故時の免責額（自己負担）を減額・免除する制度です。代車として借りていた場合も、CDWが適用されていれば負担が軽くなる可能性があります。
ただし、CDWは保険会社が代車契約時に付帯しているかどうかで異なります。契約内容を保険会社またはレンタカー会社に確認しましょう。
利用者側の任意保険が使える場合もある
もし自身が加入している任意保険に「他車運転特約」が付いていれば、それを使って修理費を賄える可能性もあります。これは他人の車を借りている間に事故を起こした場合、自分の保険が使える特約です。
ただし、レンタカーが対象になるかは契約内容により異なるため、事前に保険証券を確認しておくことが重要です。
トラブル回避のためにできること
- レンタカー受け取り時に傷の有無を写真で記録
- 代車使用時は慎重な運転を心がける
- 契約時にCDWの有無を確認する
これらの対策によって、後々の金銭トラブルや責任問題を防ぐことができます。
まとめ：代車でも事故時の責任は“使用者”にある
代車での事故は想定外の出来事かもしれませんが、修理費用の責任は基本的に使用者側であることを理解しておきましょう。万が一の事故時には、レンタカー会社と保険会社の両方に速やかに連絡し、状況を説明することが重要です。
また、今後の備えとして、任意保険に「他車運転特約」がついているかを確認し、必要であれば加入しておくと安心です。