弁護士・司法書士などの開業者は年金が基礎年金だけ?知らないと損する年金制度と対策まとめ

独立開業して働く弁護士や司法書士、公認会計士などの士業の方々は、企業に属さない「自営業者」としての働き方になります。そのため、年金制度もサラリーマンとは大きく異なります。本記事では、こうした開業士業の方が加入する年金の種類や、将来的な受取額、そして老後資金対策として活用すべき制度について詳しく解説します。

開業士業が加入する公的年金制度は「国民年金のみ」

弁護士や司法書士などで開業している方は原則として第1号被保険者に該当し、加入できる公的年金は「国民年金(基礎年金)」のみです。これは会社員が加入する厚生年金と異なり、将来受け取れる年金額は低めになります。

令和6年度の国民年金保険料は月額16,980円。40年間納付した場合でも、老齢基礎年金として受け取れる金額は年額約80万円程度(2025年現在)となります。

厚生年金に加入できるケースは限定的

開業士業であっても、法人成り(法人化)して自身を役員として報酬を得ている場合には、厚生年金に加入できます。この場合は第2号被保険者となり、将来的な年金受給額を大きく増やすことが可能です。

例:年収600万円の法人代表が厚生年金に20年以上加入している場合、将来の年金総額は基礎年金+厚生年金で年額150万〜180万円になる可能性があります。

付加年金・国民年金基金・iDeCoで年金の上乗せを

国民年金だけでは老後資金が不足するため、自主的な年金の上乗せが重要です。開業士業の方におすすめなのは以下の制度です。

  • 付加年金:月400円追加で将来年間6,000円(20年加入で12万円)の上乗せ年金
  • 国民年金基金:自営業者専用の年金制度。掛金額に応じた終身年金を受け取れる
  • iDeCo(個人型確定拠出年金):最大月額68,000円まで拠出可能。掛金は全額所得控除の対象

これらを併用することで、年金収入を大幅に補うことができます。

士業ごとの年金制度の違いと注意点

弁護士・司法書士・税理士などは、それぞれの職域団体によって独自の退職金制度や共済制度を用意しているケースがあります。例えば。

  • 日本弁護士連合会の退職金制度:任意加入だが、一定の積立で退職一時金が受け取れる
  • 司法書士年金共済:加入年数に応じて給付額が増加する退職金積立型の制度

こうした制度をうまく利用することで、将来の資金不安を軽減できます。

老後資金の準備は早めに計画を

会社員と違い、自営業者は定年がない一方で、収入が突然ゼロになるリスクもあります。老後資金は早めの準備が重要です。以下の対策もあわせて検討すると安心です。

  • 毎月の収入から一定額を積立投資(つみたてNISAなど)
  • 不動産などの収益源の確保
  • 生活コストを把握し、将来に備えた生活設計を立てる

まとめ

弁護士や司法書士などの開業者は、原則として国民年金(基礎年金)のみの加入ですが、それでは十分な老後資金を確保することは困難です。厚生年金への加入やiDeCo・国民年金基金の活用、職域団体の共済制度などを組み合わせ、早めの準備を進めることが大切です。

専門職だからこそ、老後も自分らしい人生を送るために、今から確実な備えをしていきましょう。

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