交通事故は突然に起こるものであり、加害者側になった場合も心身ともに大きな影響を受けます。とくに居眠り運転による正面衝突事故のような重大事故では、刑事責任や民事賠償の問題も複雑に絡みます。本記事では、加害者となった家族がいる場合に知っておくべき情報や今後の流れをわかりやすく解説します。
事故直後から3ヶ月以内に行われる主な手続き
交通事故が発生すると、まず警察による実況見分が行われます。その後、加害者・被害者双方の供述や現場の証拠をもとに事故の過失割合が判断されます。居眠りによるセンターラインオーバーは重大な過失とされ、基本的に加害者側に100%の過失が認定されやすくなります。
事故後3ヶ月以内は、警察による捜査や自動車保険会社の対応が並行して進みます。被害者の治療状況や損害額の把握もこの期間に行われますが、詳細な情報は保険会社を通じて伝えられるため、加害者本人やその家族が詳細を把握できないこともあります。
加害者本人が覚えていない場合の対応方法
事故の記憶が曖昧、またはまったくないというケースも珍しくありません。特に居眠り運転や意識の喪失を伴う事故では、そのような状況になりやすいです。記憶が曖昧であっても、現場の目撃証言やドライブレコーダーの映像などの客観的証拠によって事故状況が明らかにされていきます。
加害者側が事故の状況について誤解している場合もありますが、それは保険や刑事処分に直接的な影響はなく、客観的な証拠が優先されます。
刑事責任と行政処分の流れ
加害事故において人身被害が発生している場合、加害者には刑事責任が問われる可能性があります。事故から数ヶ月以内に警察から事情聴取があり、その後、検察による起訴・不起訴の判断が行われます。特に重大事故では「過失運転致傷罪」などが適用される可能性があります。
免停にならなかった場合でも、今後、行政処分として免許停止または取消しの通知が届くことがあります。これには事故の状況や過失の程度が反映されるため、警察の捜査が進む中で改めて判断される場合があります。
民事責任と損害賠償請求の可能性
民事上の責任では、損害賠償請求が大きなポイントになります。加害者が自賠責保険・任意保険に加入していれば、通常は保険会社が対応を代行します。被害者が治療を終え、後遺障害が残ったかどうかなどが確定すると、慰謝料・治療費・休業損害などが計算されて示談交渉が始まります。
ただし、被害者が示談に納得しない場合は、民事訴訟を起こす可能性もあります。裁判になると、損害賠償額が増えることや、判決が出るまでの時間が長くなるというデメリットもあります。
家族が知るべき情報と守るべき姿勢
配偶者など家族は事故の詳細や進行状況を把握しにくいと感じることがありますが、加害者本人の同意があれば、保険会社や弁護士から情報を得ることができます。家族としては、冷静に情報を整理し、保険会社や警察、弁護士との連携を丁寧に進めていくことが重要です。
また、被害者に対して誠意を示すことも、刑事処分や民事訴訟での印象に影響を与える要素となります。謝罪や治療費の先行立替など、可能な限りの誠意ある対応が求められます。
まとめ
交通事故を起こしてしまった場合、その後の対応が非常に重要です。事故から数ヶ月経っても、情報が見えづらいことは珍しくありませんが、保険・刑事・民事の3つの責任を整理して対応することが被害者との円満な解決につながります。家族としては、正確な情報を得て、冷静かつ誠実な姿勢でサポートしていくことが何より大切です。