高速道路の料金所、特にETCレーン付近での接触事故は、予想外の挙動が絡むことも多く、思わぬトラブルに発展することがあります。事故後の対応を誤ると、たとえ相手に過失があるように思えても、自分が「当て逃げ」などの重大な交通違反とされる可能性もあるため、冷静な判断が求められます。
ETCレーンでの事故が発生しやすい理由
ETCレーンはノンストップで通過できる構造になっているため、前後の車両のスピード差や注意不足により接触事故が起きやすいポイントです。特に隣接するレーンとの間隔が狭い場所では、車線変更のタイミング次第で事故が起こりやすくなります。
今回のように隣の車の動きによって回避行動を取った結果、別の障害物に接触したケースでは、当人に過失があると判断される可能性もあり得ます。
事故後に現場を離れてしまった場合のリスク
交通事故において「事故現場を離れる行為」は、状況次第で「当て逃げ(道路交通法上は『報告義務違反』や『救護義務違反』)」と見なされることがあります。これは、自己判断で相手を追跡したり現場を去る行為が、事故の届出義務違反と捉えられるためです。
現場から離れたあとに警察に連絡を入れたとしても、初動対応の不備が処分の内容に影響することもあるため、事故後は速やかにその場から警察へ連絡し、指示を仰ぐのが基本です。
免停や罰金などの行政処分・刑事処分はどうなる?
交通事故に伴う処分は、事故の程度や違反の種類により異なります。今回のようなケースでは、以下のような対応が考えられます。
- 違反点数加算:物損事故や報告義務違反が認められた場合、2〜5点程度の加算がされる可能性あり。
- 反則金・罰金:軽微な物損事故のみであれば反則金扱い、重大な違反がある場合は刑事罰へ。
- 免許停止処分:累積点数が6点以上で30日免停など。
処分の通知は、多くの場合事故処理が終わってから1〜2か月以内に「意見の聴取通知書」などの形で届きます。都道府県の公安委員会によっても差がありますが、突然の通知となるケースもあります。
後からでも誠意ある対応を示すことの大切さ
事故後すぐの行動が不適切であったと感じた場合でも、速やかに警察へ連絡して事故処理を受けることは正解です。また、その後の相手方への誠意ある謝罪や、必要に応じた保険会社を通じた損害賠償対応なども、処分内容に影響を与える可能性があります。
特に、相手の行為にも過失がある可能性がある場合は、実況見分やドライブレコーダー映像などを提出し、正確な過失割合を主張することも重要です。
まとめ:ETCレーン事故後は冷静な判断と速やかな対応を
ETCゲート付近での事故は突然起こり、感情的になりやすい状況です。しかし、事故が発生したときには、まず現場にとどまり、安全を確保した上で速やかに警察に連絡を取ることが基本です。
その後の対応次第では、免停や罰金といった重い処分に発展するリスクもあるため、焦らず誠実に対応しましょう。また、行政処分の通知は1〜2か月程度のタイムラグがあるため、気になる場合は最寄りの警察署や免許センターに照会してみることも可能です。