運転免許証を紛失したとき、誰しも焦ってしまうものです。特に交通違反や刑事処分が関係している場合は、「今、免許証を再発行してよいのか」と不安になる方も多いでしょう。本記事では、免許取消や停止処分が確定していない段階で免許証を紛失した場合の再発行の可否や注意点について、具体例を交えながら解説します。
再発行の基本:取消や停止が未確定なら手続き可能
結論から言えば、免許取消や停止処分がまだ正式に確定していない状態であれば、免許証の再発行は通常どおり可能です。運転免許試験場や警察署で所定の申請書と本人確認書類、証明写真などを用意すれば、紛失届を出して再発行してもらえます。
ただし、後日正式に取消処分が下された場合、その免許証は当然無効になりますので、その点は理解しておく必要があります。
再発行の際に気をつけたい「処分保留中」という状況
違反点数や刑事処分により、今後免許停止や取消の対象になる可能性がある人については、運転免許試験場の担当者もその情報を把握していることがあります。システム上では「処分保留中」などと記載されており、再発行の場で詳しい状況を尋ねられることもあります。
この段階で正直に現状を説明し、免許の使用は控えている旨を伝えることで、手続きがスムーズになることが多いです。
紛失後の運転は絶対に避けるべき理由
免許証を紛失している状態での運転は、「免許不携帯」という交通違反に該当します。さらに、その時点での処分が未確定でも、のちに取消となった場合には、その時点から「無免許運転」と見なされるリスクがあります。
再発行を行うまでは、絶対に運転をしないことが、処分回避や不利な判断を防ぐ上での基本です。
刑事事件との関係:同乗罪や前歴がある場合の影響
無免許運転の同乗罪などで捜査中、起訴待ち、または裁判の結果待ちという状況では、再発行自体を拒否されることはほとんどありません。しかし、判決内容により「欠格期間(再取得できない期間)」が発生する可能性があります。
たとえば、有罪判決で免許取消となった場合、その日から最短でも1年~10年の欠格期間が始まります。この間はたとえ免許証を所持していても無効扱いです。
再発行の方法と必要なもの
免許証を紛失した場合の再発行には、以下の書類や物品が必要です。
- 運転免許証紛失届(警察署に提出)
- 本人確認書類(マイナンバーカード、パスポートなど)
- 申請用の写真(撮影から6ヶ月以内)
- 手数料(2,250円程度)
再発行手続きは、都道府県の運転免許試験場または一部警察署で可能です。詳細は各自治体の警察公式サイトで事前に確認しましょう。
まとめ:免許証の再発行は「処分が確定する前」がカギ
免許取消や停止の可能性がある場合でも、処分が確定する前であれば、紛失した免許証の再発行は可能です。しかし、その後の判決や行政処分によって再び無効になる可能性があることも念頭に置いておきましょう。
また、処分待ちの間の運転には十分注意が必要です。状況によっては重い行政処分や刑事責任が追加される場合もあるため、不安な場合は行政書士や弁護士に相談することをおすすめします。