店舗運営や個人間取引で起こりがちな「料金未払い」問題。何度も「次回支払う」と約束されながら支払われないケースは、非常にストレスになります。こうした場合に有効とされる手段に「配達証明」や「内容証明郵便」がありますが、実際のところどのように活用すべきか、またその費用を請求額に上乗せできるのかなど、実務面の疑問にお答えします。
配達証明と内容証明の違いを正しく理解しよう
配達証明とは、文書が相手に届いたことを日本郵便が証明する制度です。一方、内容証明は「誰が・誰に・いつ・どのような内容で送ったか」を日本郵便が公的に証明するものです。
未払いの催促においては、内容証明の方がより強い法的効力や証拠能力を持ちます。後日、警察や裁判所への提出資料とする場合にも有効です。
未払い催促において費用の請求は可能か?
配達証明や内容証明を送る際の費用(郵便代、証明手数料など)を未払い金額に加えて請求できるかという点について、法律上は契約内容や支払遅延に関する条項に明記されていない限り、基本的には認められないのが原則です。
ただし、悪質な遅延で損害賠償請求を含めて裁判所に訴える場合には、実費としてその金額を主張することはできます。
送付する文書は内容証明がベターな理由
たとえ「配達証明付き普通郵便」で送っても、送達の事実しか証明されません。それに対し、内容証明郵便は文書の内容自体が証明されるため、「支払い催促があったにも関わらず放置された」事実を後の法的対応の際に証拠として提出できます。
実例として、ある飲食店では3回の口頭催促の後に内容証明を送付し、相手が態度を一変させてすぐに支払いに応じたというケースもあります。
催促状に記載すべき基本要素
内容証明で未払い金を請求する場合、以下の要素を明確に盛り込みましょう。
- 契約内容またはサービス提供内容
- 未払い金額とその内訳
- 支払い期日と支払方法
- 期日までに支払われない場合の対応(例:法的措置)
また、穏便な表現を心がけながらも、毅然とした文面を意識することが重要です。
配達証明や内容証明の手続きと費用
日本郵便での取り扱い方法は以下のとおりです。
- 内容証明郵便:1通につき1,500円前後(文字数・用紙枚数により変動)
- 配達証明付き:通常郵便代+320円
まとめ:未払い対策には「内容証明」で明確な意思表示を
料金の未払いが続く場合、内容証明郵便を使って催促を行うことで、支払いの意思を促すとともに、後の法的対応に備えた証拠作りが可能になります。費用自体を直接請求に含めることは難しいものの、損害賠償として主張できる可能性はあります。
早い段階での毅然とした対応が、トラブルの長期化を防ぐ鍵です。