交通事故でお子さまが負傷された場合、親としては心身ともに大きな負担を背負うことになります。特に加害者に全面的な過失がある場合でも、慰謝料の金額は交渉次第で大きく変わることがあります。本記事では、弁護士への依頼の必要性や保険会社の対応、慰謝料の相場などについて、実例を交えて解説します。
交通事故における「10対0」の意味と補償の基本
「10対0」とは、加害者側にすべての過失があると認定された場合を指します。このケースでは、被害者側に過失は一切ないため、治療費・慰謝料・通院交通費などの損害賠償の全額を加害者側が負担するのが原則です。
ただし、実際の支払いは、加害者側の加入する自賠責保険および任意保険によってなされます。つまり、慰謝料の支払いは加害者本人ではなく、保険会社から行われるのが一般的です。
弁護士を依頼するべき理由とは
保険会社は原則として「最低限の基準」で慰謝料を提示するため、被害者が弁護士を介さず交渉すると金額が低く抑えられる傾向にあります。
一方、弁護士が代理人として入ると、裁判基準（いわゆる赤い本基準）で交渉が行われ、慰謝料が数倍に増額することも少なくありません。たとえば、通院2か月・傷跡ありの場合、自賠責基準では10～15万円程度の慰謝料が、裁判基準では50万円近くまで引き上げられることもあります。
弁護士費用はどうなる？保険から出るケースも
自身の保険に弁護士費用特約がついている場合、自己負担なしで弁護士を依頼できることがあります。これは、お子さま本人ではなく、ご家族の自動車保険でも対象になる場合があります。
特約がない場合でも、弁護士費用を差し引いても最終的な受取額が大幅に増えるケースもあるため、費用対効果を弁護士と事前に相談するのが安心です。
傷痕や精神的苦痛に対する賠償の考え方
お子さまのように将来にわたり外見への影響や心理的ショックが残る場合、後遺障害が認定されなくても慰謝料が増額される余地があります。
たとえば、「露出部に色素沈着が残る」「学校生活や運動に影響がある」といった事情がある場合、それを医師の診断書や写真などで立証することで、交渉が有利になります。
弁護士に依頼した場合の交渉プロセス
弁護士が入ることで、以下のようなプロセスが円滑かつ専門的に進められます。
- 保険会社への示談交渉の窓口
- 慰謝料の増額交渉
- 必要な証拠（診断書・写真等）の整備
- 必要であれば調停・訴訟の提起
法的な交渉を任せることで、親御さんはお子さまのケアに専念できます。
まとめ：早めの弁護士相談が後悔を防ぐ
お子さまのケガが大きなものであるほど、慰謝料や補償の適正な金額を得るには専門家の介入が不可欠です。保険会社が提示する金額が妥当かどうか判断がつかない場合は、無料相談を活用して早めに弁護士へアプローチするのが得策です。
弁護士費用特約の有無も確認し、最適な選択で大切なお子さまの未来の安心を確保しましょう。