盗撮事件で示談できない場合の起訴判断に懲戒解雇は影響するのか?初犯・在宅事件の検察対応を解説

盗撮行為が発覚し在宅で捜査を受けている場合、刑事処分がどのように下されるかは非常に気になるところです。特に、被害者が特定できず示談が成立しないケースや、既に職場で懲戒解雇されたケースでは、検察の判断にどう影響するかが重要になります。この記事では、実務における起訴・不起訴判断の基準を初犯・示談なしという前提で整理します。

■起訴・不起訴の判断に影響するポイントとは?

検察官は以下のような要素を総合的に考慮して、起訴・不起訴を判断します。

  • 前科・前歴の有無(初犯かどうか)
  • 示談成立の有無
  • 反省・更生の意思や環境
  • 社会的制裁の有無(懲戒解雇など)
  • 被害者の数や態様の悪質性

これらをもとに「起訴して裁判にかけるべきか」あるいは「起訴猶予で済ませるべきか」が判断されます。

■示談が困難でも不起訴となるケースはある

示談が成立しない場合、基本的には起訴のリスクが高まります。しかし、初犯であり、被害の程度が軽微である場合、他の情状要素によって不起訴(起訴猶予)となる可能性は十分にあります。

たとえば「被害者の特定が困難」「本人が深く反省し再発防止の対応をしている」などは、不起訴処分を導く理由になります。

■懲戒解雇は“社会的制裁”として評価される

検察は処分の判断にあたり、既に受けた社会的制裁も重要な判断材料とします。

実際、盗撮など迷惑防止条例違反で勤務先を懲戒解雇された場合、「相応の社会的制裁を受けた」として、起訴猶予処分になることは少なくありません。

ただし、被害者の数や撮影の継続性、動機等が悪質と判断される場合は、この限りではありません。

■示談不成立でも“起訴回避”に役立つ行動とは

たとえ示談が困難であっても、以下のような対応が不起訴処分に有利に働きます。

  • 反省文の作成と提出
  • 通院歴・カウンセリング記録の提出
  • 家族・雇用主などの監督体制の報告
  • 弁護士による意見書の提出

これらを通して「再犯の可能性が極めて低い」と検察に示すことが大切です。

■実例:示談なし・初犯・解雇のケースで不起訴に

ある30代男性は、初犯で社内の女子更衣室での盗撮が発覚。在宅捜査を経て懲戒解雇処分となり、被害者不明のため示談は不能でした。

最終的に弁護士が「社会的制裁」「本人の反省」「今後の監督体制」などを意見書で補強し、検察は起訴猶予処分としました。

■まとめ

・懲戒解雇された事実は、検察判断において社会的制裁として有利に考慮されます。

・示談が成立しなくても、初犯で反省の姿勢が明確であれば、起訴猶予の可能性は十分あります。

・重要なのは「今後同じことを繰り返さない」という体制づくりと、第三者的な信頼性を検察に示すことです。

・不安な方は弁護士に早めに相談し、情状資料の準備を徹底しておくと安心です。

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