近年、自転車による信号無視や危険運転のトラブルが増加しています。特にスポーツタイプの自転車を使った高速走行では、歩行者や他の自転車との衝突リスクも高くなります。今回は、自転車の信号無視に巻き込まれそうになったときの対応や、事故が起きた場合の責任について、法律的な観点から詳しく解説します。
自転車は信号を守らなくていい?──いいえ、違います
道路交通法上、自転車は「軽車両」に分類されており、信号や交通標識の遵守義務があります。
つまり、信号機のある交差点で赤信号を無視する行為は、自動車と同様に違法であり、違反点数の対象とはならなくても取り締まりや指導の対象になります。
特に交差点内での信号無視は、重大な事故を招く危険性が高いため、警察も注視しています。
自転車の信号無視で事故寸前!警察は呼べるのか
万が一、自転車の信号無視によって危険な状況が発生した場合、警察への通報は可能です。現場に警察を呼ぶことで。
- 交通違反としての取締り(交通指導警察官による警告・書面交付)
- 相手の身元確認・事故抑止
- 事故が発生していた場合の実況見分・調書作成
実際に衝突はしていなくても、ヒヤリハット事例として記録される可能性があります。
事故が起きた場合の責任は10対0になる?
自転車対自転車の事故においても、信号無視があった場合はその違反の程度が大きく影響します。一般的な考え方として。
信号遵守側(青信号進行) vs 信号無視側(赤信号進行)の事故では、信号無視側の過失が非常に高く、過失割合が10対0に近づく可能性があります。
ただし、実際の過失割合は事故の状況や双方の回避義務、速度、注意義務違反などを踏まえたうえで警察や保険会社が判断します。
信号無視+イヤホン通話は違反のダブルコンボ
自転車に乗りながらのイヤホン通話や片耳通話も、安全運転義務違反に該当します(道路交通法第70条)。
多くの都道府県では、「周囲の音を妨げる状態」での運転を禁止する条例も設けられており、取り締まりの対象です。つまり、信号無視+通話状態は重大な違反です。
自衛策:ドライブレコーダーやスマホ録画も有効
自転車に乗っている人でも、スマートフォンやアクションカメラでの前方録画が自衛のために有効です。
信号無視された場合や接触しそうになった場合の記録が残っていれば、警察への通報時や、相手が逃げたときの証拠として非常に強力です。
まとめ:自転車でも交通ルールを守るのが当然
自転車は「車両」として道路交通法の適用を受ける存在であり、信号無視やイヤホン通話は明確な違反です。
危険運転によって事故が発生した場合、違反者側の過失は極めて高く、正しく信号を守っていた側が責任を問われることは基本的にありません。
今後万が一事故に遭った場合は、警察への通報、録画の活用、そして冷静な対応があなたの安全と正当性を守る鍵になります。