施設警備員が知っておくべき遺失物の取り扱いマニュアル|構内・構外での違いと対応方法

施設警備員として勤務するうえで、遺失物の適切な取り扱いは重要な責務のひとつです。特に、財布やカードなどの貴重品が関わる場合は、遺失物法の理解と現場での迅速かつ適切な対応が求められます。この記事では、工場内(構内)と工場外(構外)で拾得された遺失物の扱い方の違いを解説し、現場で即活用できる実践的な対応例も紹介します。

遺失物法の基本と警備員が関与する理由

遺失物法は、落とし物の拾得・届け出・保管・返還に関する基本的なルールを定めた法律です。拾得者は原則として最寄りの警察署へ届け出る義務があり、施設警備員は管理者に準ずる立場として、その仲介や保管を担うケースが多くなります。

施設内での拾得物は、民間施設の管理権限内にあるため、一時的に施設で保管・対応が可能です。しかし公共の場(構外)での拾得物は、法律に基づき速やかに警察への届出が必要となります。

工場構内での遺失物の取り扱い

構内とは、工場の敷地内、建物内、通用門周辺など管理区域を指します。構内での拾得物については、施設管理者や担当部署が拾得記録を残し、一定期間保管したのち、所有者不明であれば警察に引き渡す流れになります。

財布や現金、クレジットカードなどの貴重品については、原則として即日警察へ届け出ることが望ましいとされています。警備室で受付簿を記録し、拾得者情報や発見場所・時間などを詳細に控えましょう。

工場構外での拾得物の対応

構外とは、工場の外壁沿い、公道、歩道など一般公衆が自由に通行する場所です。こうした場所で拾得された物は、遺失物法上速やかに拾得者本人から最寄りの交番や警察署へ届け出ることが義務となっています。

警備員が持ち込みを受けた場合、できるだけ拾得者本人に届け出を促すか、事情を記録したうえで施設として代理で届け出る対応が必要です。

具体例:財布を拾得した場合のフロー

構内で財布を拾得:警備室で拾得記録を作成→財布の内容物(現金・カード)を点検・記録→管理責任者に報告→最寄り警察署に遅滞なく届け出。

構外で財布を拾得:拾得者に直接警察へ届け出るよう依頼→難しい場合は警備室で記録→警備員が代理で届け出。

遺失物の管理記録に必要な情報

  • 拾得日時と場所
  • 拾得者の氏名・連絡先
  • 物品の詳細(ブランド名・色・内容物)
  • 引き渡し日時・届け出先の警察署名

これらを記録することで、責任の所在を明確にし、紛失者からの問い合わせにも対応しやすくなります。

遅れて届け出た場合の扱いは?

たとえ即時に届け出られなくても、正当な理由があれば遅延しても警察は受理します。ただし、明らかな過失や保管期間中の損傷・紛失があると、施設側の責任が問われる可能性もあるため、保管には細心の注意を払いましょう。

まとめ:遺失物対応は迅速・記録・報告が鉄則

施設警備員として、構内・構外それぞれの拾得物の扱いを理解し、拾得から記録、報告、届け出までの一貫したフローを守ることが信頼構築につながります。特に現金やカードが関係する物品は、警察への迅速な届け出が必須であることを常に意識しましょう。

現場対応のマニュアル化や定期的な研修によって、ミスのない確実な運用ができる体制を整えていくことが理想です。

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