歩道にはみ出して駐車された車と歩行者の接触事故|修理費用の責任は誰に?

歩道に車両の一部がはみ出して駐車されている状況で、通行中の歩行者の荷物などが車両に接触し、傷をつけてしまった場合、その責任はどこにあるのでしょうか。本記事では、こうした日常で起こり得るトラブルにおける法律的な責任関係と、対応方法について解説します。

歩道にはみ出した車両の駐車は違法か

歩道は原則として歩行者の通行のためのスペースであり、車両の侵入や駐停車は道路交通法で厳しく制限されています。たとえば、道路交通法第44条では「歩道に車両を停めてはならない」と定められています。

よって、車両の一部であっても歩道上に侵入していれば、それは違法駐車に該当する可能性があり、周囲の歩行者の通行を妨げていることになります。

民法上の過失と責任の考え方

車に傷がついた場合、「誰に責任があるのか」は民法709条の不法行為の考え方で判断されます。つまり「故意または過失があり、損害が生じたか」が問われます。

歩行者が普通に歩いていて、荷物が車にぶつかるような状況であれば、歩行者に過失があるとは言えない可能性があります。特に、通行が狭くなっていた場合や、歩道に出ている車の位置が原因で回避困難だった場合には、責任は車側にあると考えられます。

実際のトラブル事例と裁判例

実際の事例では、違法駐車されていた車両に通行人の傘やベビーカーが接触し傷がついた際、車両側の責任が問われたケースがあります。歩道上に一部でもはみ出していたことが原因である場合、車の所有者が損害を受けたとしても、損害賠償を請求することは難しいとされる例も存在します。

ただし、歩行者側にも不注意な行為(わざとぶつけた、無理に通過した等)があった場合は、過失相殺の対象となる可能性もあるため、状況によっては一定の責任を負うこともあり得ます。

保険適用の可否と対応方法

車の修理代については、車両保険の対象となる場合もあります。歩行者に対して請求をする前に、保険を利用してカバーできるかどうかを確認することが推奨されます。

また、当事者間でのトラブルを避けるためには、現場の写真や状況証拠を残し、冷静な対応を心がけることが重要です。必要に応じて第三者機関(警察や保険会社)に相談することも一つの方法です。

まとめ:責任の所在は状況次第だが歩道駐車には要注意

歩道に車をはみ出して駐車していたことで歩行者の荷物が接触し傷が生じた場合、民法上の責任は必ずしも歩行者にあるとは限りません。車側の違法性や歩行者の回避可能性など、具体的な状況によって判断されます。

日常で起こりうるこのような事例に備えるためにも、違法駐車を避ける意識と、万一のトラブルには記録を残して冷静に対応する姿勢が求められます。

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