インターネット上でアダルトサイトを閲覧中に、突然料金請求の画面が表示される「ワンクリック詐欺」。誰でもうっかりクリックしてしまう可能性があるこの手口は、特に未経験の方にとって不安を招きやすいものです。本記事では、その仕組みと対処法、実際のリスクについて詳しく解説します。
ワンクリック詐欺とは？
「ワンクリック詐欺」とは、アダルトサイトや出会い系サイトを装い、ユーザーがクリックしただけで料金が発生したかのように見せかける詐欺行為です。実際には法的な契約は成立していないにもかかわらず、「支払わなければ法的措置を取る」「請求書を送る」などの文言で不安を煽るのが特徴です。
この手口は、法的根拠がないため無視して問題ありません。住所や電話番号を入力していない限り、個人が特定されることはほぼありません。
「はい」ボタンを押しても契約成立にはならない
年齢確認や規約同意などの「はい」ボタンをクリックしただけでは、法律上の契約は成立しません。契約には内容の明示・同意・申込みの意思表示などが必要ですが、これらが一方的かつ不明確な状態では無効です。
たとえば「はい」というボタンの中に小さく料金が記載されていた場合も、それに気づかずクリックした場合には消費者契約法の「不実告知」や「誤認」に該当する可能性があり、契約は無効とされるのが一般的です。
「請求書が家に届く」は嘘？住所を入力していなければ心配無用
「電話回線から個人情報を特定」「IPアドレスで住所がわかる」などの文言は、利用者を不安にさせるための脅し文句にすぎません。IPアドレスでは市区町村レベルまでしか分からず、住所や名前までは分かりません。
また、電話回線経由で個人を特定するには通信会社を通じた正式な開示請求が必要であり、詐欺業者にそんな手続きをする正当性はありません。
不安になっても絶対にしてはいけないこと
不安に駆られてしまっても、メールや電話で詐欺業者に連絡するのは絶対にNGです。連絡した瞬間に相手は「連絡先が本物である」と確信し、執拗な請求が始まる可能性があります。
また、履歴を削除したこと自体に問題はありませんが、万が一トラブルが起きた際に証拠として必要になる可能性があるため、画面のスクリーンショットなどを残しておくのが理想です。
万一に備える：正しい対処法と相談先
基本的に無視して問題ないワンクリック詐欺ですが、少しでも不安がある場合は消費生活センターや弁護士に相談することをおすすめします。消費者ホットライン（188）は全国どこからでも最寄りの相談窓口につながります。
また、セキュリティ対策として信頼できるウイルス対策ソフトを導入し、不審なサイトや広告には触れない習慣を持つことが重要です。
まとめ：冷静な対応が被害を防ぐカギ
ワンクリック詐欺は巧妙に不安を煽る仕組みですが、実際にはほとんどのケースで法的リスクはありません。住所や名前を入力していない限り、請求書が届くことはまずないので安心してください。
最も大切なのは、相手に連絡せず、無視を貫くことです。不安な場合は公的機関に相談し、冷静に対処しましょう。