突然の親族からの遺産相続に関する書類提出依頼に戸惑う方は少なくありません。特に長年連絡を取っていなかった親族から戸籍謄本や印鑑証明を求められた場合は、注意が必要です。この記事では、こうしたケースでのリスクや正しい対応方法、専門家への相談のタイミングについて詳しく解説します。
親族から急に「戸籍謄本・印鑑証明を送って」と言われたら
まず確認したいのは、その相続に自分(や親)が法定相続人として関係しているかどうかです。祖母が亡くなってから10年以上経過している場合でも、遺産分割協議が未了であれば法的には有効です。
ただし、長期間連絡を取っていなかった親族から突然の連絡、かつ書類のみを求められる場合には、不審な目的で使われる可能性もあるため慎重な対応が必要です。
書類を渡すことで起こり得るリスク
- 遺産分割協議書に勝手に署名・押印されたように見せかけられる
- 印鑑証明を使って他の契約や登記変更に悪用される可能性
戸籍謄本そのものには重大な悪用リスクは少ないものの、印鑑証明との組み合わせで法的効力が生じるため、本人確認や協議内容を十分に把握せずに提出するのは危険です。
行政書士や弁護士に依頼すべきケース
相手の言動に不審な点がある、もしくは手続きの正確さを確保したい場合は、まずは相続に詳しい行政書士や弁護士に相談するのが安心です。
特に以下のような状況に当てはまる場合は、専門家に代理人になってもらうのも選択肢です。
- 押しかけ訪問や執拗な連絡が続いている
- 遺産内容が不明で協議内容が不透明
- 親が高齢で冷静な判断が難しい
書類の提出を断った場合の影響
書類の提出は義務ではなく、法的に応じなかったからといって罰則はありません。むしろ、十分な説明や同意がないまま提出する方がトラブルの元です。
断る際は「専門家に確認してからお返事します」と伝えるのが穏当です。それでも押し問答が続くようであれば、弁護士に間に入ってもらうと、法的根拠を持って対応してもらえます。
安心して対応するための手順
1. 相続人としての立場を確認する(戸籍の取得など)
2. 遺産内容や協議書のドラフトを求める
3. 相手の身分や連絡先、関与の経緯を明確にする
4. 行政書士か弁護士に相談する
書類を渡す前に、必ずその必要性と安全性を自分で納得するまで確認しましょう。
まとめ
突然の相続関連書類の請求には、たとえ親族であっても慎重な対応が必要です。特に印鑑証明などの重要書類は、内容や目的を十分に理解しないまま渡すとトラブルに発展することがあります。必要に応じて行政書士や弁護士に相談し、自身と家族を守る判断を心がけましょう。