宅配専用の生協系サービス「グリーンコープ」で人気のある“パスチャライズ牛乳”。低温殺菌による自然な味わいが魅力ですが、「賞味期限が短すぎる」「すぐに劣化する」といった声もあるようです。今回は、その理由と対策について詳しく解説します。
パスチャライズ牛乳とは?特徴を知っておこう
パスチャライズ(低温殺菌)牛乳とは、通常の130℃前後の高温殺菌と異なり、65℃で30分間じっくり殺菌する製法で作られます。この製法により、生乳本来の風味や栄養素を保持できますが、殺菌力はやや弱く、開封後の劣化が早い傾向にあります。
また、ホモジナイズ(均質化)処理をあえて行わない場合、牛乳表面にクリーム層が浮くなど、見た目の違いも特徴です。
賞味期限の「7日」は製造日から計算されている
グリーンコープの牛乳に記載された「賞味期限7日」とは、製造日から起算された日数を意味します。これは食品表示法に基づく一般的な表記方法で、配達時点ではすでに数日経過しているため、手元に届く時点では「あと3〜5日しかない」ことが珍しくありません。
この点については、グリーンコープの公式案内や配達員からの説明不足が課題とされており、製造日を明示しないまま「7日」とだけ案内するのは誤解を生む要因にもなります。
「ヨーグルト化」する原因は保存状態にある可能性も
賞味期限内なのに牛乳がヨーグルトのように分離・変質していたという報告は、保存状態に大きく影響されます。特に夏場の配達時や宅配ボックス内の温度上昇、または家庭での冷蔵庫設定(10℃以上)によって、乳酸菌の自然発酵が促進されることがあります。
宅配後すぐに冷蔵保存し、5℃以下を常時キープすることが推奨されます。野菜室では温度が高くなりがちなので、ドリンク専用のスペースや奥の冷却効率の良いエリアに保存するのがベターです。
価格と品質をどう評価するか?
市販牛乳と比較すると、グリーンコープのパスチャライズ牛乳はやや割高です。しかし、添加物不使用・産地指定・非遺伝子組み換え飼料の使用など、品質面での価値を見出す消費者には支持されています。
一方で、賞味期限の短さや取り扱いの難しさは、忙しい家庭や大量消費しない世帯にとってはマイナス要素となるかもしれません。スーパーで購入する牛乳のほうが長期保存できるという判断も、決して間違っていません。
もし納得できない場合はどうする?
グリーンコープは地域ごとの生協が運営しているため、品質や案内の対応には差があります。不満がある場合は、グリーンコープの公式サイトや、お住まいの地域の「お客様窓口」に直接連絡し、製造日や配送温度、返品・交換ポリシーについて確認することが重要です。
また、トラブルや被害が明らかになった場合は、消費生活センター(188番)へ相談することも検討しましょう。
まとめ:理解して選べば納得感も変わる
パスチャライズ牛乳は風味と健康を重視する人にとって価値ある商品ですが、その性質ゆえに管理が難しく、賞味期限にも誤解が生じやすい商品です。
製造日基準であること・低温保存の必要性・自己管理の重要性を理解した上で利用すれば、納得感は大きく変わります。「高いだけの牛乳」と感じたら、一度スーパーの牛乳との違いを比較してみるのも良いでしょう。