インターネット配信やSNSの利用者が増加する中で、悪質な書き込みや脅迫行為も深刻化しています。特に、曖昧な表現であっても「殺害予告」と捉えられる発言を受けた場合、どう対処すべきか迷う方も多いでしょう。本記事では、配信中に殺害を示唆する発言を受けたときの正しい対処法や、警察への相談の可否について解説します。
殺害予告の判断基準とは？
明確に「殺す」などの言葉が使われていなくても、「職場に行く」「最悪の結果」などの不穏な表現が並び、ナイフや血などの絵文字が添えられている場合、それは脅迫罪や威力業務妨害に該当する可能性があります。
特に被害者が「恐怖を感じた」「行動に制限を受けた」などの実害が生じた場合、それは警察が対応できる正当な案件です。直接的表現がなくても、脅しと感じた時点で相談は可能です。
警察に通報するべき状況と通報の方法
実害がまだ発生していない場合でも、予防的に警察に相談することは可能です。以下のような状況であれば通報を検討してください。
- 身元が特定されそうな発言がある
- 訪問を示唆するようなメッセージ
- ナイフ・血など暴力を連想させる内容
- 過去に粘着的な行動があった人物からの発言
通報時は、証拠の保存（スクリーンショット・録画・ログの保存など）が重要です。警察署の相談窓口または「#9110」の警察相談専用電話に連絡することで、状況に応じた対応を受けられます。
実害がない段階でできること
殺害予告までは至らないが、不安が残る場合も多くあります。そんなときは以下の対応が有効です。
- 運営会社や配信プラットフォームへ通報する
- コメントやアカウントのブロック・通報
- 発言が残るログや画面の保存
- 友人や家族にも状況を共有し、孤立しない
また、不安が強い場合には自治体の「ストーカー・DV・ネット犯罪」相談窓口に話をするのも一つの手です。
被害届や相談と告訴の違い
「相談」と「告訴」は法的に異なるステップです。まずは「相談」として状況を警察に伝えるだけでも構いません。対応状況を見て、被害届や告訴の検討はその後でも問題ありません。
告訴を行うには証拠や経緯の明確さが必要になりますが、相談段階ではまだ提出書類なども不要で、口頭での説明で十分対応してくれるケースが多くあります。
同様のケースの実例
実際に、SNSや配信アプリで「殺してやる」などのメッセージを受けたケースで、警察が相手方を特定して厳重注意または逮捕に至った事例もあります。
また、「通報しただけでは動いてくれない」と思いがちですが、証拠を整えれば真摯に取り合ってくれる可能性が高いことも事実です。
まとめ：不安を感じた時点で早めに相談を
直接的な殺害予告でなくても、相手の意図や文脈によっては脅迫と判断される可能性があります。実害が発生していなくても、警察に相談し、今後のリスクに備えることは非常に重要です。
安全を第一に、証拠を確保し、できるだけ早くしかるべき機関に相談しましょう。相談すること自体にリスクはありません。一人で抱えず、専門機関の助けを借りて対応することが大切です。