通勤中に交通事故に遭った場合、労災保険だけでなく、会社が加入している民間の保険(団体保険など)からも補償が受けられることがあります。しかし、その仕組みや受け取れる金額、手続き方法は複雑で分かりづらいことも。この記事では通勤災害として扱われる事故に関する補償の流れと注意点について解説します。
通勤災害として労災申請ができる条件
労災保険では「業務災害」と「通勤災害」に区分されており、出勤や退勤の途中での事故は原則として通勤災害に該当します。
例えば赤信号で停車中に後続車に追突された場合でも、その道が通勤ルートであれば労災申請の対象となります。これにより、治療費や休業補償、障害が残った場合の補償などが受けられます。
労災保険の休業補償:4日目以降から支給
労災保険による休業補償は、労働不能となった4日目以降から開始されます。最初の3日間は「待機期間」として、労災補償の対象外です。ただし、企業によってはこの期間に対して給与を支給する場合や、民間保険で補填する場合もあります。
例:追突事故で3日間会社を休んだ場合、労災保険からの補償はありませんが、会社の判断で有給扱いや補償がある場合もあります。
会社が加入する団体保険の役割とは
企業によっては、社員の通勤災害に備えた保険(例:あいおいニッセイ同和損保の団体総合補償保険)に加入していることがあります。この場合、労災とは別に保険会社から独自の補償金が支払われる可能性があります。
対象となるのは、事故による通院日数や診断書に基づいた補償などで、契約内容により支給額は異なります。会社から「書類を書いてください」と依頼されたのは、これら保険申請の一環と考えられます。
保険会社からいくら支給されるのか?
支給額はケースバイケースですが、通院1日あたり数千円~1万円程度の給付がある契約が多く見られます。診断書の内容、通院日数、事故の程度などによって算定されるため、明確な金額は保険会社の回答を待つ必要があります。
保険会社名と契約種別(団体傷害保険など)を会社に確認し、補償内容を具体的に尋ねるのが安心です。
事故後にやるべき手続きの流れ
- 病院で診断書を取得:通院日数や治療内容が記載されたもの。
- 会社へ提出:労災申請や保険請求に必要な書類に記入。
- 保険会社へ書類提出:会社または本人が行う。
- 給付金の通知・受取:審査後に給付金が支払われます。
なお、保険によっては後日入金されるまでに数週間かかることもあります。
まとめ:通勤事故時の補償は複数の制度から受け取れる
通勤中の事故では、労災だけでなく会社が加入している保険によっても補償が受けられる場合があります。事故直後に書類をしっかり記録し、診断書の提出や会社との連携を取ることで、補償をスムーズに受けられる可能性が高まります。
保険金額は契約内容によって異なるため、不明な点は会社または保険会社に直接確認を。早めの対応が損をしないコツです。