インターネット通販は便利な反面、詐欺まがいの手口も多く存在します。特に代引き（代金引換）を悪用したトラブルは後を絶ちません。今回は、「発送連絡は来たけれど運送業者も伝票番号も不明」「商品は届かない」「怪しい電話やメールが来る」といった状況で、消費者が取るべき正しい対応について解説します。
商品が届かない、連絡も曖昧な通販サイトに注意
まず、発送通知メールに運送会社名や追跡番号が記載されていないのは非常に不自然です。これは発送の事実がない、もしくは故意に追跡を避けている可能性が高いと言えます。
加えて、「遅延のお詫び」と称して別の商品（福袋など）を勧めてくるケースも詐欺の典型的な手口です。特に、「ブランド品」「電化製品」など魅力的なキーワードを使って、さらなる金銭を誘導しようとします。
代引きで怪しい荷物が届いたらどうする？
商品が届いた際に心配なのは、「代引きで支払うべきか」という点です。結論から言うと、怪しいと感じた場合は支払いを拒否して受け取りを断るのが正解です。
運送会社のドライバーに「中身を確認していないので受け取りを拒否します」と伝えれば、荷物を持ち帰ってもらうことが可能です。着払い（代引き）の荷物は、受取人の承諾がないと成立しないため、無理に受け取る必要はありません。
怪しい業者の見分け方と今後の予防策
トラブルを未然に防ぐために、購入前に以下の点を確認しましょう。
- 販売者の会社情報（所在地・電話番号・代表者名など）が明記されているか
- 特定商取引法に基づく表記が掲載されているか
- 支払い方法に「銀行振込（先払い）」や「代引き」のみでクレジットカードやPayPay等が使えない場合は要注意
- 商品の価格が相場より明らかに安すぎないか
また、初めて利用するサイトの場合は、消費者庁の注意喚起ページや、警察庁のサイバー犯罪対策情報などで事前に調査するのも効果的です。
電話・メール・留守電の連絡は無視してOK？
今回のように、しつこく電話やメールで連絡を取ろうとしてくるケースでは、相手に反応しないのが一番の対策です。万一、会話の中で個人情報を引き出されると、新たな詐欺被害につながるリスクがあります。
不安であれば、消費生活センター（188）や警察署の相談窓口に状況を報告しておくと安心です。証拠として、メール本文や電話の録音・着信履歴などは保存しておきましょう。
不審な商品が届いたときの返送対応
すでに代引き商品が届いたが開封していない、または開封後に詐欺と確信した場合は、商品をそのまま運送会社に返送依頼するか、消費者センターの指示を仰ぎましょう。
勝手に返品したり破棄したりするとトラブルになることがあるため、必ず専門機関に相談するのが安全です。
まとめ：不安を感じたらまず行動を
「詐欺かもしれない」と感じた直感は非常に大切です。無理に支払いや連絡を取らず、状況を記録し、消費者センターや警察に早めに相談することでトラブルを最小限に食い止めることができます。
今後も安心して通販を楽しむために、信頼できるサイト選びと慎重な対応を心がけましょう。