愛車が古くても、オーナーにとってはかけがえのない存在です。特に90年代~2000年代初頭の車両、いわゆるネオクラシックカーは、独自の魅力や希少性で近年再評価されています。そんな大切な車が駐車場で停車中に事故に巻き込まれた場合、損傷したパーツの扱いに関してどのような補償が期待できるのでしょうか?特に未塗装の樹脂バンパーは、修理方法や賠償基準に独自の判断が必要です。
10:0の事故なら過失はゼロ、まずはしっかり主張を
まず大前提として、自車が完全に停止中で、相手がバックで衝突してきたケースは「10:0」の過失割合が適用される可能性が非常に高いです。つまり、被害者側に過失がないと認定されるため、修理費は基本的に加害者側の保険会社が全額負担することになります。
この点を押さえたうえで、どういった修理が認められるかが次の論点になります。
未塗装バンパーの損傷は修理不可?交換対象になる理由
ネオクラシックカーに多く見られる「未塗装の黒樹脂バンパー」は、現行車の塗装仕上げと違い、キズや凹みが目立ちやすく、修復も困難です。軽度のスリ傷であれば目立たなくする方法もありますが、バンパーが変形・破損している場合は基本的に「交換対応」が妥当です。
例えば、「押し込まれてヒビが入った」「取付部が割れた」などの損傷がある場合、無理に修理しても強度的に不安が残るため、交換を求めるのが適切です。
保険会社との交渉では“適正修理”の証明がカギ
保険会社との交渉で重要なのは、その修理が合理的かどうかという視点です。未塗装バンパーのように部分修理では原状回復が難しい部位に関しては、「交換しないと元に戻らない」ことをプロの整備工場やディーラーに見積書・所見として出してもらうことが有効です。
たとえば、次のような文言が見積に記載されていれば説得力が増します:「当該バンパーは構造上補修困難な素材であり、機能および外観を考慮して交換を推奨します。」
交換部品の入手難も考慮されるべきポイント
ネオクラシックカーの泣き所は、部品供給が終了している可能性がある点です。メーカー在庫がない場合、中古品やリビルト品、社外パーツを利用する必要が出てくるため、修理期間が延びたり費用がかさむこともあります。
このような事情も含め、保険会社に「代替部品が必要になるため、費用が正規パーツより高くなる」と伝えれば、費用の正当性が認められやすくなります。
実例:E30 BMWのバンパー損傷と交換交渉
あるユーザーは、駐車場内で停車中に後方から追突され、E30 BMWの未塗装バンパーが破損。相手の保険会社は「磨きで対応」と提案してきましたが、ディーラーの見積で交換が妥当と記載されていたため、最終的に全額補償でバンパー交換が認められたという報告もあります。
このように、適正な修理を求めるためには、感情ではなく論理と証拠が重要であることがわかります。
まとめ:ネオクラ車オーナーこそ、交渉には理詰めで臨もう
未塗装の樹脂バンパーが破損した場合、見た目以上に修理困難であることが多く、交換対応が適正とされるケースも少なくありません。10:0の事故なら遠慮なく正当な補償を主張し、プロの見解を根拠に交渉することが大切です。
愛車を守るためにも、泣き寝入りせず正しい知識と手段で納得のいく解決を目指しましょう。