生活保護を受ける際、新生活の準備に必要な家具や家電などの費用をどのように確保すればいいか、不安に感じる方も多いでしょう。特に立て替えができない状況ではどうすればよいのか、制度の仕組みを正しく理解しておくことが大切です。
家具什器費とは何か？その支給対象と制度の概要
「家具什器費（かぐじゅうきひ）」とは、生活保護を新たに受ける際や転居時に、最低限必要な家具や家電を整えるために支給される一時扶助です。具体的には、寝具類、冷蔵庫、洗濯機、照明、調理器具などが含まれます。
この制度は全国共通であり、厚生労働省の基準に基づいて自治体が運用しています。支給の可否や金額は生活状況や世帯構成、地域によって異なりますが、自己資金で立て替える必要は基本的にありません。
立て替えできない場合の対応：現物給付や業者との連携
「立て替えができない」場合でも安心してください。多くの自治体では、家具什器費は後払いではなく支給決定後に直接支払われます。そのため、事前に現金が手元になくても購入できます。
また、ケースワーカーを通じて福祉事務所が提携する業者から現物給付（直接搬入）されることもあります。この方法では申請者は購入手続きをする必要がなく、必要な品が自宅に届けられる形になります。
家具什器費で支給される主な品目と上限金額
家具什器費の支給対象には以下のような品目が含まれます。
- 寝具：布団、枕、マットレス等
- 家電：冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、照明器具
- 家具：食卓、椅子、カーテンなど最低限必要なもの
支給額には上限があり、単身者で5万円前後、世帯人数に応じて増額される場合があります。詳細は自治体の福祉課に確認しましょう。
申請から支給までの流れ：早めの相談がポイント
家具什器費は生活保護の申請と同時に、または保護開始後すぐにケースワーカーに相談することで申請できます。急を要する場合には、生活開始前に優先して支給されるケースもあります。
申請の際には、必要品目のリスト、購入見積書、または福祉事務所の用意した様式の記入が必要です。審査後、支給決定されればそのまま手配が進みます。
中古品や寄付を活用する選択肢も
支給だけで足りない場合や、予算内で揃わない場合は、地域のNPOや社会福祉協議会、教会などが行っている家電・家具の寄付・再利用制度を活用する方法もあります。無料または格安で必要な物資を得られる支援です。
実際に、ある自治体では「生活困窮者支援バンク」を運営しており、冷蔵庫や炊飯器などが常時貸出・提供されています。
まとめ：立て替え不要で受け取れる家具什器費は心強い支援
生活保護受給者にとって、家具什器費は生活再建の重要な支援制度です。立て替えができない場合でも、現物支給や直接支払いの仕組みが整っており、安心して新生活を始めることができます。
早めにケースワーカーに相談し、必要な手続きと支援を受けてください。わからない点があれば、福祉事務所や生活困窮者支援団体に相談するとスムーズです。