バイクで起こした事故が物損だった場合、「自賠責保険は使えない？」「任意保険がないとすべて自己負担？」と不安に感じる方は少なくありません。本記事では、物損事故における保険の適用範囲や、任意保険に未加入のときに考えられる現実的な対応方法について、具体的な事例を交えて解説します。
■自賠責保険がカバーするのは「人身事故」のみ
自賠責保険（強制保険）は法律で加入が義務づけられていますが、補償されるのは「相手の身体（ケガ・死亡）」に対する損害のみです。
相手の車・バイク・建物といった「物」に対する損害（物損）は一切カバーされません。したがって、こすってしまった車の修理費用は、自賠責保険からは支払われません。
■任意保険に未加入なら自己負担が基本
物損事故の場合、任意保険の「対物賠償責任保険」が使えれば、相手の車の修理代を保険会社が代わりに支払ってくれます。
しかし、今回のように任意保険に未加入であれば、相手から請求された修理費用はすべて自己負担になります。
特に、バンパーやドアなどの塗装・交換費用は軽微でも数万円～数十万円になることがあり、想定外の出費となることも。
■交渉の余地はある？請求された金額への対応
相手が提示してきた修理費用について、不明点があれば「修理見積書の提示を求める」ことが可能です。
場合によっては、「中古パーツの使用」や「軽微な塗装修理での対応」など、金額を抑えた交渉も成立するケースがあります。
また、相手が過剰請求をしてくる可能性もあるため、見積もりが適正かどうかを第三者（ディーラーや整備工場）に確認するのも有効です。
■弁護士や自動車専門家への相談という選択肢
支払いに不安がある、交渉に自信がない場合は、交通事故案件を扱う弁護士や、JAF・自動車事故相談センターなどの無料相談窓口を活用しましょう。
また、家族が加入している損害保険（火災保険やクレジットカード付帯保険など）に「個人賠償責任補償」がついている場合、それが使える可能性もあるため、保険証券をよく確認してください。
■今後に備えて任意保険の加入は必須
今回のようなケースを防ぐためにも、バイクにも「対人・対物」補償のある任意保険への加入は必須です。
最近では月額数百円〜加入可能な「お手軽バイク保険」もあるため、たとえ通勤・通学・近距離利用でも保険加入は強く推奨されます。
■まとめ：任意保険なしの物損は基本的に自己負担。冷静に対処を
- 自賠責保険は人身のみ補償、物損は対象外
- 任意保険未加入の場合、相手への修理費は自己負担
- 修理費の交渉・見積もり確認は慎重に行う
- 状況によっては第三者相談機関・弁護士を活用
- 今後のために任意保険への加入を検討することが重要
予想外のトラブルに巻き込まれても、落ち着いて状況を整理し、適切な対応を取ることで大きな負担を防ぐことができます。