歯科医院への口コミで損害賠償請求される?名誉毀損・営業妨害との違いと投稿時の注意点

ネット上で歯科医院などの医療機関にレビューを書くことは一般的になっていますが、その内容によっては思わぬトラブルに発展することもあります。この記事では、口コミが名誉毀損や営業妨害と判断される可能性、損害賠償を請求されるケース、そして法的トラブルを避けるための注意点を解説します。

レビューで損害賠償を請求されることはあるのか?

インターネット上に書かれた口コミが原因で、名誉毀損や信用毀損といった民事上の責任を問われ、損害賠償請求をされることは実際にあります。また、内容次第では刑事事件に発展するケースも存在します。

特に歯科医院などの医療機関では、名前が公表されていることも多く、影響力のあるレビューが売上や信用に影響を与える可能性があります。

名誉毀損と営業妨害の違いとは?

名誉毀損(刑法230条)とは、たとえ真実でも、社会的評価を下げる表現を不特定多数に伝えた場合に成立する可能性があります。
営業妨害(信用毀損罪や偽計業務妨害罪)は、虚偽の情報などで営業活動を妨害した場合に成立します。

つまり、「接客態度が悪かった」「怒られているように感じた」といった感想を述べるだけであれば基本的に違法にはなりにくいですが、「◯◯歯科は詐欺まがいの請求をしている」など事実と異なる内容や断定的な虚偽の表現は、営業妨害とみなされる可能性があります。

表現の自由と違法投稿の境界線

表現の自由は憲法で保障されていますが、他人の名誉や社会的評価を侵害しない範囲で行われる必要があります。以下のような表現は特に注意が必要です。

  • 断定的で根拠のない内容:「絶対に行ってはいけない」「ぼったくり歯医者」など
  • 侮辱的・感情的な言い回し:「人間性を疑う」「最低最悪の医師」など
  • 事実と異なる内容:治療していないのに「治療ミスがあった」と記述する など

一方で、「説明が少なく不安に感じた」「指示が強めで緊張した」などの主観的な感想や印象は、名誉毀損に該当するリスクは低いと考えられています。

実際に損害賠償を請求された場合の対応方法

まずは感情的にならず、事実関係の確認と記録の保存を行いましょう。電話でのやり取りは録音やメモを残すことを推奨します。また、相手が弁護士名で通知してきた場合は、法的根拠と請求額の妥当性を確認し、すぐに謝罪や削除を行うか、法的代理人(弁護士)に相談してください。

仮に内容が真実であっても、書き方や文脈によっては法的リスクが伴います。投稿の削除・非公開設定を行うだけで、事態が収束するケースも少なくありません。

レビューを書く際に気をつけるべきポイント

  • できるだけ事実に基づいた客観的な内容にする
  • 断定せず、「〜と感じた」「〜だったように思える」など主観的表現を使う
  • 個人名や特定できる要素(スタッフの特徴など)を避ける
  • 批判ではなく改善を促す建設的な内容にする

例えば「受付の方の対応が少し怖く感じました。もう少し柔らかい対応だと安心できると思います。」という表現は、法的リスクを抑えつつ意見を伝える方法です。

まとめ:表現の自由の中でも「伝え方」が重要

ネットレビューは誰でも気軽に書ける時代ですが、その分トラブルも増加しています。感想や意見を発信することは自由ですが、書き方ひとつで名誉毀損や営業妨害と受け取られる可能性があることを忘れてはいけません。

「事実に基づく」「誇張しない」「主観的感想でまとめる」この3点を意識すれば、トラブルを避けつつ有益なレビューが可能です。もし相手から損害賠償の話があった場合でも、冷静に対応し、必要に応じて法的な専門家に相談することをおすすめします。

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