揉めない相続でも遺産調査は必要?費用を抑えてスムーズに進める方法とは

親族が亡くなった後の相続では、たとえ家族間でもめる気配がなくても、正確な遺産調査を行うことはとても重要です。この記事では、不動産がなく、車や預金が主な遺産となるケースで、できるだけ費用を抑えてスムーズに遺産調査を進める方法について解説します。

そもそも遺産調査は必要なのか?

相続において遺産調査は、相続財産を「正確に把握」するための第一歩です。仮に通帳などで預金が確認できていたとしても、負債や保証債務、知らない保険契約、証券口座などがある可能性があります。

特に注意が必要なのは負の遺産(借金やローン)です。これらが後から発覚した場合、相続放棄の期限(基本3か月)を過ぎていると、思わぬ責任を背負うことになります。

どこに依頼すれば良いのか?

遺産調査を依頼できるのは、主に以下の3つの専門家です。

  • 司法書士:不動産がない場合でも相続登記や名義変更の助言が可能
  • 税理士:主に相続税の申告が必要な場合に強い
  • 行政書士:公的書類の取得や財産リスト作成などに対応

今回のように不動産がなく相続税も発生しない可能性が高いケースでは、行政書士に依頼することで比較的安価に遺産調査が行える傾向があります。

税理士は調査してくれる?報酬はどう決まる?

税理士も遺産調査をしてくれますが、報酬は「遺産総額の0.5%~1.5%」など資産額に応じた変動制です。たとえば500万円相当の遺産であれば、2.5万円〜7.5万円程度が目安となります。

ただし、負の遺産が大きくプラスの財産を上回る場合、遺産総額がマイナスであっても報酬は最低額で請求されるケースがあります。事前に「最低報酬額」の確認をおすすめします。

自分でできる遺産調査のステップ

専門家に依頼する前に、自分である程度の遺産調査を行っておくと費用を抑えることができます。以下が基本のステップです。

  • 通帳の履歴を確認(定期預金、年金振込、保険金受取など)
  • クレジットカードやローンの明細を確認
  • 自動車の車検証から所有名義を確認
  • 公共料金や電話会社の請求書から未払いの有無を調査

自分で情報収集した上で、不明な点がある場合はその部分だけ専門家に相談することで、費用も最小限に抑えられます。

遺産調査を怠るリスクとは?

遺産調査をしなかったことで起きる典型的なトラブルには以下のようなものがあります。

  • 後から負債が発覚して相続放棄できず負担を背負う
  • 隠れた資産(保険金・株式・未登記土地)を見逃す
  • 兄弟間で認識にズレが生じて後々揉める

「もめてないから不要」ではなく、「もめないうちに明確化」するのが遺産調査の大きな目的です。

まとめ:費用と時間を抑えて確実に進めるために

不動産が無く、通帳も揃っていて家族間のトラブルも無い場合でも、遺産調査は重要なプロセスです。行政書士や一部の司法書士に相談することで、コストを抑えて進めることができます。

まずは自分でできる調査を行い、必要に応じて専門家の力を借りることで、スムーズかつ確実な相続手続きを行いましょう。

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