交通事故から数年経過しても後遺症に悩まされる方は多く、通院やリハビリを継続している人も少なくありません。その中で「整体に行きたいけれど保険会社が許可してくれるか不安」という声もよく聞かれます。本記事では、事故後の長期通院と整体・マッサージ利用に関する保険対応について、実例を交えながら詳しく解説します。
事故から時間が経っていても通院や施術は認められる?
事故直後に自覚症状がなかったり、痛みを伝えていなかったとしても、後になって症状が出るケースは多く存在します。神経系の後遺障害などは、遅れて表面化することもあるため、事故から数年後でも医師の判断で必要とされる治療であれば保険適用の可能性はあります。
ただし、被害者自身が一貫して「痛みがない」と申告していた場合、その整合性を問われることがあるため、医師の診断書や見解を元に改めて訴えることが重要です。
整体やマッサージは保険の補償対象になるのか
原則として保険会社は「医師の指示がある施術」に対してのみ補償を行う傾向があります。つまり、整体やマッサージが医療行為の一環として認められるかどうかがポイントです。
たとえば、整形外科の医師が「理学療法士による施術が必要」と判断すれば、提携する整体院や接骨院での治療も保険適用になるケースがあります。
保険会社に「整体に行きたい」と伝える際の注意点
「疲れているからマッサージに行きたい」という理由では保険会社に却下される可能性が高いため、主観的な訴えではなく、医師の診断や指導内容を添えて相談することが大切です。
言い換えれば、医師が「事故による後遺症が原因で筋緊張があり、整体施術が必要」と判断している場合は、その旨を保険会社に文書で伝えることで承認される可能性が高まります。
実際に整体施術が認められた事例
たとえば事故から2年経過後に慢性的な首の痛みを訴えたBさんは、整形外科でMRI検査を受け「筋膜の炎症」が確認されました。医師の指示で週1回の整体通院を開始し、保険会社も治療継続を承認。診断と施術方針を文書化したことが、保険会社とのスムーズな交渉に繋がったといいます。
このように、症状の原因と施術の必要性を医療的に説明できることが鍵となります。
整体に通う前にすべき3つの準備
- 通院中の医師に現在の症状を正直に相談する
- 整体施術の必要性について医学的見解をもらう
- 保険会社にその内容を文書で提出・相談する
この3点をしっかり押さえることで、「いまさら整体に行きたい」と感じても、冷静に対応できるでしょう。
まとめ:症状の変化には正直に対応し、医師と連携を
交通事故による後遺症は時間の経過とともに変化することがあります。過去に痛みを訴えていなかったからといって、現在の症状を無視する必要はありません。まずは医師の診断を受け、施術の必要性を明らかにしたうえで保険会社と交渉しましょう。
整体通院が認められるかどうかは、医学的根拠とコミュニケーションの質にかかっています。あきらめずに正当な方法で対応していくことが大切です。