近年、電気会社や通信業者を名乗る訪問営業が増加しており、契約変更を勧める際に個人情報を聞かれるケースがあります。今回は、氏名や生年月日、契約中の電力会社情報を提供してしまった場合のリスクと、どのように対処すべきかを解説します。
訪問営業で聞かれる個人情報の目的
多くの場合、訪問営業では「契約の見直し」や「料金が安くなる」といった誘い文句で個人情報の提供を促します。主に以下のような情報が求められがちです。
- 氏名・生年月日
- 住所・供給地点特定番号(電気の契約情報)
- 現在の電気会社名
これは、新しい電力会社への切り替え手続きに必要な情報であり、同意があれば勝手に契約を変更できる場合もあります。
教えてしまった情報が悪用されるリスク
生年月日や氏名、電力会社情報だけではすぐに重大な被害につながるケースは少ないですが、以下のようなリスクは否定できません。
- 勝手に電気の契約が変更される(「無断契約」や「なりすまし契約」)
- 個人情報を第三者に転売される
特に、供給地点特定番号がわかっていると、契約切り替えの申請が比較的容易になる点が注意です。
口座番号を教えていない場合の安心度
支払いに必要な口座番号やクレジットカード情報を教えていない場合、金銭的な直接被害のリスクはかなり低いです。ただし、個人情報をもとにした迷惑行為や営業連絡が増える可能性はあります。
また、電気契約の乗り換えが勝手に進められていた場合、後日知らぬ間に請求が発生していたというケースも報告されています。
不審な営業に遭った際の対処法
訪問営業で情報を渡してしまったあと、不安な場合は次のような行動を取りましょう。
- 契約中の電力会社に連絡し、契約変更の申請が出ていないか確認する
- 消費生活センターに相談する(188)
- 個人情報の削除依頼をする(もし連絡先が残っていれば)
また、訪問業者の名刺や資料があれば保管しておくと、後々のトラブル対応に役立ちます。
トラブルを未然に防ぐための心構え
契約の話はその場で即答せず、「家族に相談してから」「後日連絡する」と伝えて冷静に対応することが重要です。また、国や自治体が認定している業者かを確認するのも大切です。
例えば、経済産業省の「登録小売電気事業者一覧」で確認することで、その業者が正規かどうかを判断できます。
まとめ:情報を渡してしまっても慌てず確認を
訪問営業で氏名や生年月日を伝えてしまっても、すぐに被害につながるとは限りません。ただし、契約や情報の悪用のリスクがゼロではないため、必ず契約中の会社への確認と、必要に応じて消費者センター等への相談を行いましょう。安心して生活を守るためには、「安くなる」という言葉に惑わされず、自分で情報を調べたうえで納得して契約を進めることが大切です。