休業損害や慰謝料は交通事故だけ?採血ミスなど医療過誤でも請求できるケースを解説

「休業損害や通院交通費、慰謝料は交通事故だけに認められるもの?」という疑問を持つ方は多いですが、実際には医療行為のミスによって損害が発生した場合も、法的根拠に基づいて請求できる可能性があります。本記事では、採血ミスのような医療過誤でも損害賠償を請求できるケースについてわかりやすく解説します。

■ 休業損害・慰謝料は交通事故以外でも請求可能

民法709条(不法行為)に基づき、加害者が過失によって他人に損害を与えた場合には、交通事故に限らず、損害賠償の対象となります。

したがって、健診中の採血ミスなどにより通院・就労不能状態となった場合にも、「休業損害」「通院交通費」「慰謝料」などを相手方(医療機関または委託会社)に請求できる可能性があります。

■ 医療ミスにおける具体的な損害賠償の内訳

  • 休業損害:ミスにより働けなかった期間の給与相当額
  • 通院交通費:通院に必要な交通機関の実費(バス代・電車代・タクシー等)
  • 慰謝料:身体的・精神的苦痛に対する損害賠償
  • 治療費:医療機関に支払った実費

特に休業損害は、給与明細や派遣契約書などで実際に失った収入を証明できれば、相応額の補償が認められることがあります。

■ 実例:採血ミスで通院・欠勤したケース

ある派遣社員が健康診断で採血ミスに遭い、腕が腫れて数日間通院・欠勤したケースでは、派遣会社を通じて健診機関に損害賠償を請求。診断書・通院記録・給与明細を提出し、最終的に休業損害+慰謝料が支払われた例があります。

このように、交通事故でなくとも明確な過失と損害が証明できれば、補償対象になります

■ 「交通事故だけ」主張は誤解。根拠のない説明には注意

「休業損害は交通事故にしか出ないから…」という説明は法的に誤解です。交通事故の場合は自賠責保険の制度があるため話が通りやすいだけであり、損害賠償請求権は事故の種類に限らず発生します。

派遣先が健診機関に「代わりに伝える義務」はありませんが、自分で内容証明郵便や弁護士相談を行えば、正式に請求手続きに進めます。

■ 請求する際に準備すべき証拠と流れ

  • 診療明細・通院証明・領収書
  • 休業した日数の勤務記録や給与明細
  • 診断書(通院理由や症状が記載されたもの)

これらを整理したうえで、相手方へ書面で損害賠償請求を行うのが一般的な流れです。対応に応じない場合は、弁護士や労災・民事訴訟の手続きを検討しましょう。

まとめ:交通事故でなくても損害賠償請求は可能

・休業損害・慰謝料は医療ミスでも法的に請求可能

・交通事故特有の制度(自賠責)がないだけで、民法に基づく権利は同じ

・「交通事故だけ」の説明には法的根拠がなく、誤解を招く

・証拠を整理すれば、健診機関などへの請求も可能

泣き寝入りせず、正当な補償を受けるためには、自身で情報を整理し、必要であれば専門家への相談も検討しましょう。

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