都市部を中心に、歩行者や自転車のすぐそばをスレスレで通過するバイクの危険運転が問題となっています。もしも接触して事故に発展した場合、加害者にはどのような責任が生じるのでしょうか？この記事では、バイクの危険運転が及ぼす法的影響や慰謝料、損害賠償の実情についてわかりやすく解説します。
スレスレ走行は「安全運転義務違反」になる
道路交通法第70条には「車両等の運転者は、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない」と明記されています。歩行者や自転車に接触しそうなほど近距離を通行すること自体が、この「安全運転義務」に違反している可能性があります。
スレスレ走行が常習化している場合、警察が取り締まりの対象とすることも十分にあり得ます。
事故になれば慰謝料や損害賠償の責任が発生する
歩行者や自転車と接触し、怪我を負わせた場合は、民法709条に基づき不法行為責任を問われます。たとえ軽い打撲でも、治療費や通院費、慰謝料を請求される可能性があります。
実際のケースでは、歩行者のバッグがバイクのミラーに引っかかって転倒し、10万円以上の損害賠償が発生した例もあります。
バイクに乗るなら保険加入は義務に近い
任意保険未加入のバイク利用者が事故を起こした場合、すべての損害賠償を自己負担することになります。高額な治療費が発生すれば、数十万から数百万円の支払い義務が生じることも。
バイクに乗るなら「対人・対物賠償無制限」の任意保険に必ず加入しましょう。
一時停止無視も重大な違反
一時停止を怠ることは、道路交通法違反として違反点数2点・反則金6,000円（普通二輪）が科されます。歩行者との接触事故に発展した場合、「信号無視や一時不停止による過失」が大きく影響し、加害者側に大きな責任が認定されやすくなります。
一時停止標識は「形式的な義務」ではなく、事故防止の最前線にある重要なルールです。
「モラルの低い運転」が社会的信用を失う時代へ
現在、街中の至る所に防犯カメラやドライブレコーダーが設置されており、悪質な運転はすぐに記録され拡散される時代です。SNSで動画が共有され、勤務先に連絡が入るなど、社会的信用を一瞬で失うリスクもあります。
交通ルールを守らないバイク利用は、単なる「危険」では済まされず、人生そのものに影響を及ぼす行為と言えるでしょう。
まとめ：ルールを守らない運転は重い代償を伴う
バイクによるスレスレ走行や一時停止無視は、違法であるだけでなく、他者に恐怖や不安を与え、最悪の場合は大きな損害賠償や刑事責任につながります。
バイクに乗るのであれば、「加害者になるかもしれない」という自覚を常に持ち、周囲に配慮した運転を心がけましょう。安全運転は、あなた自身と社会全体の信頼を守る最善の方法です。