近年の異常な猛暑に対する新たな対策として、「クーリングシェルター」が全国的に整備されつつあります。これは、炎天下で過ごすことが命に関わるような暑さの日に、誰でも自由に涼める避難場所として利用できる施設です。特に高齢者や小さなお子さんを連れている方には、大きな助けとなる制度です。
クーリングシェルターとは何か?
クーリングシェルターとは、気温や湿度が著しく高くなり熱中症の危険があるときに、一時的に避難して涼むことができる公共施設です。具体的には市役所、公民館、図書館、ショッピングモールの休憩所などが指定されています。
2023年からは、環境省が各自治体に設置・運営を呼びかけており、都市部を中心に対応が進んでいます。
クーリングシェルターの利用方法
多くの場合、利用予約や登録は不要で、冷房が効いた屋内施設に誰でも自由に入ることができます。運用されている日や時間は施設によって異なるため、事前に自治体のホームページなどで確認しましょう。
一例として、東京都品川区では気温が35℃を超える日には、図書館や福祉施設などがクーリングシェルターとして開放されます。
徒歩で向かうべき?熱中症リスクの見極め
「炎天下でも歩いて行くべきか?」という問いに対しては、個人の体調と移動距離により判断すべきです。
もし最寄りのクーリングシェルターまで10分以上かかるようであれば、外出自体を避けた方が良い場合もあります。
たとえば高齢者が日差しの中で1km以上歩くと、それだけで体温が上がり、クーリングシェルターに着く前に体調を崩してしまう恐れもあります。
炎天下での移動に注意するポイント
どうしても徒歩で移動する必要がある場合は、
- 帽子・日傘・長袖などで直射日光を避ける
- 水分をこまめに補給する(塩分も含む飲料が望ましい)
- こまめに日陰で休憩を取る
- 午前10時~午後3時の時間帯は極力避ける
上記のような対策を徹底することで、安全にクーリングシェルターへ到着できる可能性が高まります。
クーリングシェルターが必要な人とは?
クーリングシェルターの利用を特に推奨されるのは、
- 自宅にエアコンがない、もしくは故障している人
- 高齢者、乳幼児、妊婦、持病のある方
- 長時間外で過ごさざるを得ない労働者
など、暑さへの耐性が弱い人たちです。
そうでない人にとっても、買い物のついでや通勤途中に少し涼む場所として気軽に使えるため、「命を守る空間」としての価値は誰にとってもあります。
まとめ:無理せず活用するのが命を守るカギ
クーリングシェルターは、気温の高い夏場に命を守るために設けられた大切な避難場所です。ただし、「炎天下を無理して歩いてまで行くべきか?」という点については、距離や健康状態をよく考えた上で判断することが大切です。
徒歩で向かうことが負担になりそうな場合は、無理をせず、近隣の涼しい場所(スーパー・コンビニ・駅など)を一時的な代替シェルターとして利用することも立派な選択です。自分の体調と相談しながら、安全第一でこの制度を活用していきましょう。