子供の交通事故で人身扱いにすべきか?診断書提出と補償の正しい判断ポイント

交通事故で子供が怪我を負った場合、その処理方法によって補償の有無や対応が大きく変わります。唇の縫合や脳震盪といった症状がある場合、保護者としてどう対応すべきか、非常に重要な判断となります。本記事では、事故後に「人身事故扱いにするべきかどうか」の判断基準とその手続き、補償の内容について詳しく解説します。

人身事故と物損事故の違いとは?

交通事故は警察に届け出る際に「物損事故」と「人身事故」に分類されます。物損事故は車両などの物的損害だけを扱い、怪我に対する補償や慰謝料などは基本的に支給されません

一方、人身事故として届け出れば、治療費・慰謝料・通院交通費・後遺障害に関する補償が加害者側の保険会社を通じて支払われます。

診断書を提出すれば人身事故にできる

事故直後に物損扱いで処理された場合でも、後から病院で診断書を取得すれば、事故の管轄警察署へ提出することで人身事故に切り替えることが可能です。

今回は唇を3針縫う裂傷や脳しんとうによる頭痛といった症状があり、医学的にも十分に人身事故としての根拠があるため、速やかに診断書を取得し提出することを推奨します。

加害者側の対応と保険会社の指示の違いに注意

加害者が誠意を持って謝罪し、警察や救急車の手配も適切に行ったことは評価できますが、それと事故処理の正当性は別問題です。

保険会社が「自宅への訪問は控えて」と言うのは、トラブル回避のための一般的なアドバイスであり、事故の法的性質には影響しません。重要なのは、「被害者が怪我をした事実があるかどうか」です。

人身事故にすることのメリット

  • 治療費が保険で全額カバーされる
  • 通院日数に応じた慰謝料(1日あたり4,300円〜)が支払われる
  • 後遺障害が残った場合、追加の補償が受けられる

たとえば、脳震盪後に頭痛やめまいが長引いた場合でも、診断書と症状経過が記録されていれば正当な補償を受けることができます

物損事故のままにするデメリット

物損事故のまま処理してしまうと、加害者側の自賠責保険からの補償を一切受けられません。それにより、今後の治療費はすべて自己負担となり、精神的・経済的にも負担が増す恐れがあります。

また、示談時にも慰謝料を請求する根拠がなくなり、損害の回復が不完全になってしまいます。

人身事故への切り替え手続き

  1. 病院で診断書を取得する(事故発生日から日数が経っていても可)
  2. 警察署の交通課へ提出し、「人身事故切り替え」の手続きを申請する
  3. 保険会社にその旨を連絡し、補償の詳細を確認する

手続きは保護者が行って構いません。警察では事故内容や負傷状況の確認が行われます。

まとめ:子供が怪我をしたなら人身事故の届け出を

たとえ加害者が誠意を持って対応していたとしても、医療的な補償や慰謝料の観点から「人身事故扱い」は必須です。診断書を取得し、速やかに警察署へ届け出ることで、必要な補償を受けられ、今後の治療や経過にも安心して臨むことができます。

感情だけで判断せず、被害者であるお子様の利益を第一に考えた法的な対応を選びましょう。

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