高速道路で事故や災害により長時間渋滞に巻き込まれたとき、多くのドライバーが直面するのがトイレの問題とガソリンの残量不安です。特に予期せぬ6時間以上の停止などでは、体調や車両トラブルが重大な問題になることもあります。本記事では、そうした非常時に備えておきたい知識や行動のポイントを、法的観点も交えて解説します。
高速道路で排泄したら犯罪になるのか?
緊急時とはいえ、公衆の面前で排泄行為を行うと軽犯罪法違反に該当する可能性があります。軽犯罪法第1条26号では「公衆の目に触れる場所でみだりに排泄すること」が処罰対象とされています。
ただし、どうしても避けられない身体的状況や適切な隠蔽措置を講じた場合には、情状が考慮され不問になることもあります。それでも「見られたらNG」と心得て、ポータブルトイレや非常用トイレ袋を準備するのがベストです。
非常時のトイレ対策に有効なグッズとは?
市販されている「携帯トイレ」や「簡易トイレ袋」は災害時や車中泊だけでなく、渋滞対策としても非常に有用です。以下のようなタイプがあります。
- 吸水ポリマー入りでニオイを閉じ込めるタイプ
- 男女共用の漏斗式トイレ
- 車の座席に取り付けて使えるボックスタイプ
いずれも車内での使用を前提に設計されており、目隠しや遮光性も考慮されています。
ガソリンが切れそうな場合の正しい対応
渋滞中にガソリン残量が不安になったら、まずエンジンを切るか、必要最小限の暖房や冷房だけでアイドリングを抑えることが重要です。アイドリングによる消費は意外と早く、1時間に約0.5~1リットル減ることもあります。
それでもガソリンが尽きそうなときは、JAFやNEXCOの道路緊急ダイヤル(#9910)に連絡して燃料給油の救援を要請することが可能です(有料の場合あり)。
知っておくべき高速道路上の緊急支援サービス
高速道路上では以下の支援制度が利用できます。
- NEXCO道路緊急ダイヤル #9910:交通トラブルや異常の通報
- JAF:会員ならガス欠も無料(非会員は有料)
- SA・PAの係員に助けを求める:近くのインターチェンジを案内されることも
早めの通報が安全とトラブル回避の鍵になります。
実際の渋滞事例から学ぶ教訓
2020年の大雪による関越自動車道での立ち往生では、最大2日間にわたって車中に閉じ込められた例があり、食料やトイレを備えていた車とそうでない車で明暗が分かれました。
また、2019年の中央道事故では6時間以上の動かない渋滞が発生し、トイレや水分不足が原因で体調不良になる人も報告されています。
まとめ:事前の備えと冷静な対応が鍵
長時間の高速道路渋滞は誰にでも起こりうるリスクです。トイレや燃料に関する非常時の対処法を知っておくことが、自分と周囲を守る最善の方法になります。
非常用トイレの備蓄、ガソリンの定期的なチェック、道路緊急ダイヤルの把握を通じて、トラブルに冷静に対処できるよう備えましょう。