交通事故によって電柱やインフラ設備を破損した場合、その損害は想像以上に大きく、民事責任と刑事責任の両方が発生します。特に加害者が現場から逃走した場合、刑罰はより重くなる可能性があります。本記事では、ダンプカーなどの大型車両が電柱に衝突して逃走した場合に発生する賠償額や法的リスクについて詳しく解説します。
電柱を折った場合の損害賠償はどれくらい？
電柱を破損した場合、まず電力会社や通信会社などインフラの所有者に対して損害賠償義務が発生します。一般的な電柱1本の交換費用は数十万円から100万円を超えることもあります。さらに周辺の停電や通信障害による間接損害が追加されることも。
過去の判例では「被害地域全体の損失」や「設備復旧にかかる人件費」「交通規制に要する費用」も損害として認定されたケースがあります。従って、実際の賠償額は数百万円規模になる可能性があります。
現場から逃走するとどうなる？刑事責任の増加
事故後に現場から逃げた場合、「道路交通法違反（ひき逃げ・当て逃げ）」に該当します。物損事故であっても逃走したことで重大な違反とされ、1年以下の懲役または10万円以下の罰金に科される可能性があります。
さらに、電柱が倒れたことによって他人が怪我をした場合、「業務上過失傷害」や「危険運転致傷」などの罪に問われることも。人身事故に発展すれば、刑罰はさらに重くなり懲役刑の可能性も出てきます。
実際の事例：北海道で起きた逃走事故
過去にも北海道内で、大型トラックが電柱を折って逃走した事件が報じられています。このようなケースでは、車両ナンバーから所有者が特定され、後に書類送検される流れが一般的です。
事故の状況や被害の程度、逃走の悪質性が判断され、報道では「数百万円の損害賠償に加え、業務上過失致傷の可能性で捜査中」とされることもあります。
ドライバーと事業者の責任の違い
ダンプカーなど事業用車両の場合、運転者だけでなく車両の所有者（会社）にも賠償責任が及ぶことがあります。これを「使用者責任」といい、民法第715条に基づいて請求されることがあります。
また、会社が適切な運行管理や整備、教育を怠っていた場合には「安全配慮義務違反」としてさらなる責任が問われることも。
事故を起こしたら逃げずに適切な対応を
万が一事故を起こした場合は、現場から逃走せず、すぐに警察と電力会社・通信会社などのインフラ管理者へ連絡を取りましょう。逃走したことで後の賠償額や刑事責任が重くなるケースは多くあります。
特に業務用車両の場合、会社の信頼にも関わる問題となるため、初動対応が非常に重要です。
まとめ：電柱破損と逃走の代償は大きい
電柱を折るという物損事故であっても、その後の対応を誤ると法的責任は非常に重くなります。逃走行為は悪質性を増し、刑罰や賠償額の増加に直結します。
万一事故を起こした際は、冷静に警察と関係各所に連絡し、誠実な対応を心がけることが被害の最小化につながります。ドライバーも企業も、事故時の対応マニュアルを整えておくことが大切です。