交通事故の示談金と治療費・弁護士費用の関係を徹底解説|14級9号の事例をもとに

交通事故における示談金の内訳や支払い先については、被害者にとって非常にわかりにくい部分です。特に、後遺障害等級認定を受けた場合、治療費や弁護士費用が示談金に含まれているのかどうかは、損をしないためにも正確に理解しておく必要があります。ここでは、後遺障害14級9号が認定された場合を例に、示談金の仕組みや注意点を詳しく解説します。

示談金の構成要素とは?

交通事故における示談金は、単なる「慰謝料」ではなく、さまざまな損害項目を含んだ金額です。一般的に、以下の要素で構成されます。

  • 治療費:通院・入院にかかった実費
  • 通院交通費:病院までの往復交通費
  • 休業損害:働けなかった日数に応じた補償
  • 慰謝料:精神的損害への賠償
  • 後遺障害慰謝料・逸失利益:後遺障害が認定された場合の補償

このため、「示談金=自由に使えるお金」と捉えてしまうと、後から自己負担が発生する可能性もあるのです。

治療費は示談前に支払われているのが一般的

多くの交通事故では、加害者側の任意保険会社が、治療費を病院に直接支払う「一括対応」を行います。つまり、被害者本人が立て替えることなく、通院期間中に支払処理が完了しているケースが大半です。

そのため、示談金の中に治療費が再度含まれているということは通常ありません。ただし、事故後しばらくして保険会社が支払いを打ち切った場合、その後の治療費は自己負担となり、示談金の中で精算する必要があります。

弁護士費用の負担について

弁護士特約がない場合、弁護士費用は自己負担となります。ただし、示談金の中から弁護士費用を支払うことは可能です。例えば、後遺障害14級9号で300万円の示談金を受け取った場合、そこから20〜30万円程度の弁護士費用が差し引かれるケースが想定されます。

また、裁判を経て損害賠償が認められた場合には、裁判所の判断により一部の弁護士費用(一般的に10%程度)が加害者に負担させられることもあります。

14級9号とは?そして妥当な示談金額は?

後遺障害14級9号は、「局部に神経症状を残すもの」として最も軽い等級ですが、それでも一定の補償が得られます。14級9号の後遺障害慰謝料の相場は以下の通りです。

項目 金額目安
後遺障害慰謝料 110万円(裁判基準)
逸失利益 数十万円〜
治療関係費・慰謝料 併せて数十万円〜

合計で300万円前後になるのは、ごく一般的な金額設定といえます。

示談金で注意すべきポイント

示談金は、最終的な損害の清算を意味します。そのため、示談書にサインをした時点で、それ以降の請求は一切できなくなります。

「今後治療が必要になる可能性がある」「まだ通院中」といった場合は、示談を急がず慎重に検討しましょう。

まとめ:示談金と費用負担の整理をしっかり

交通事故後の示談金は、治療費や慰謝料、弁護士費用などを総合的に含んだ最終的な補償です。治療費は原則、事故後に順次支払われており、示談金に含まれることは稀です。

弁護士費用に関しては特約がなければ自己負担になりますが、示談金から支払うことも可能です。大切なのは、示談金の構成と支出先を事前に明確にしておくこと。納得のいく解決のためにも、冷静かつ正確な情報に基づいて対応しましょう。

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