駐車場内でのバック事故と過失割合の判断基準|訴訟を検討する前に知っておきたい対応策

日常的に起こり得る駐車場内での接触事故。特に双方が動いていた場合や、進行方向が異なる場合には過失割合の判断が複雑になりがちです。今回は、公道から前向き駐車していた車と、私道からバックしてきた車が接触した事例を踏まえ、過失割合の考え方や対応の流れについて解説します。

事故の状況と過失割合の基本的な考え方

一般的に、バックしていた車は前進していた車に比べて過失が大きくなる傾向があります。特に公道から正規の方法で駐車しようとしていた車と、私道からバックで進入してきた車が接触した場合、後退車の注意義務は非常に高いとされます。

ただし、今回のケースのように両車両の後部同士が接触した場合、「どちらも後退していた」とみなされると、過失割合が5:5と判断されることも少なくありません。

交渉が停滞している場合の対応方法

相手方保険会社から「5:5」と提示されて以降、連絡が途絶えているとのことですが、これは保険交渉が膠着している典型例です。このような場合、以下のようなアクションを検討するとよいでしょう。

  • まずは自分の保険会社に対し、再度強く交渉を依頼する
  • 進展がない場合は「交通事故紛争処理センター」などの第三者機関を活用
  • 担当者の提案どおり、少額訴訟簡易裁判所での訴訟も視野に入れる

実際に訴訟を起こす前に、交通事故紛争処理センターの無料相談を活用するのも一つの手です。

実際の裁判ではどちらが有利になるか?

判例ベースでは、後退車の責任が重くなる傾向があるため、私道からバックしてきた相手車両の過失がやや高めと判断される可能性があります。ただし、事故当時の位置関係や車の動き、駐車場内の構造などが影響するため、現場写真やドライブレコーダー映像などの証拠が非常に重要です。

ドライブレコーダーの有無で結果が変わることも多いため、できる限りの証拠収集を行いましょう。

訴訟のメリット・デメリット

訴訟を起こすことで相手保険会社の動きを促進できる一方、以下の点にも注意が必要です。

  • 時間と手間がかかる(数か月〜半年)
  • 少額訴訟では最大60万円までが限度
  • 判決が出ても必ずしも希望通りの結果になるとは限らない

それでも、現状打破を図りたい場合には有効な手段です。

今後の交渉をスムーズに進めるために

・やり取りは必ず記録を残す(メール・録音など)
・自分の保険会社にはこまめに状況報告を
・感情的な対応は避け、事実と証拠をベースに交渉する

また、自動車保険に弁護士特約がついている場合は積極的に活用しましょう。弁護士が対応に入ることで、交渉の流れが大きく変わることもあります。

まとめ

今回のような駐車場内の事故では、どちらも後退していた場合5:5という判断が一般的ですが、状況次第では相手方の過失がより大きいと認定されることもあります。連絡が滞っている場合は、弁護士特約の利用や訴訟も視野に入れつつ、冷静に証拠と交渉を重ねていくことが重要です。

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